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発熱報告をしなかったら刑事罰…中国がコロナに勝った舞台裏
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2020.03.18 06:00 最終更新日:2020.03.18 06:00
ついにパンデミック(世界的流行)――。新型コロナウイルスの感染者は全世界で12万人を超え、増加の一途をたどっている。経済面でも世界恐慌の様相を呈しており、混乱はしばらく収まりそうにない。
だが、発生源である中国では、すでに新規感染者が減り、ピークアウトしているという。
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「3月に入り、事態は沈静化しつつある。北京では新規患者のほとんどが、海外からの帰国者という状況です」
現地の様子をそう伝えるのは、上海在住のライター・もがき三太郎氏だ。
「中国では武漢市の封鎖を皮切りに、あらゆる手段で人と人の接触を減らす方策を取ってきた。
外出や集会を極限まで禁止し、インフラ関係など一部の業種以外の要員は、基本的には自宅待機させ、発熱の報告を怠ったら刑事罰――。これらを、1カ月以上にわたり全土でおこなってきました。
これで、効果が出ないわけがない。企業は活動を再開しはじめており、行楽地にも人が戻りつつあります」(もがき氏、以下同)
世界が「これから」コロナに立ち向かおうとしているのに対し、中国はすでに「このあと」を考える状態なのだ。
「中国政府は、『新型ウイルスとの人民戦争だ、総力戦だ』とげきを飛ばし、極端なまでの作戦で感染拡大を抑え込んだ。皮肉にも、『一党独裁』という共産主義体制が、最大限の威力を発揮したともいえるでしょう」
あらゆる場所で体温測定を実施し、感染が疑われれば検査。ウイルスが検出されれば、すぐに隔離。感染者の住んでいる自宅がネットで発表され、周囲の住民はローラー調査……。ここまで徹底することは、日本では到底無理だろう。
「ちょっと出かけただけでも、1日に10回以上も体温を測られ、住宅街では、出入りに許可証の提示が必要です。不便な生活にイラついた人が喧嘩したり、保安員や役人に暴力を振るった人が逮捕されたというニュースも多い」
《我々は新型ウイルスの抑制に成功した。今後は各国と協力して人類共通の敵と戦う》と、“勝利宣言” まで出した中国。このイチ抜け発言には、思わずツッコみたくもなるが、中国の対策には参考にすべき点があるのもまた事実。
いまは少し冷静になり、人類共通の敵に立ち向かうべき、なのかもしれない。
写真・AFP/アフロ
(週刊FLASH 2020年3月31日・4月7日号)