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コロナで変わるアメリカ…スタバのドライブスルーに車が大行列
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2020.04.02 16:00 最終更新日:2020.04.21 22:06
アメリカのCDC(疾患予防センター)が4月1日、新型コロナは、症状が出始める1〜3日前に他人に移す可能性が高いと発表した。以前から無症状の人が他人に感染させてしまうケースは広く確認されていたが、シンガポールや中国の事例を検証し、日数を割り出した。また、全体の25%の人が無症状の可能性が高いと指摘し、今後の対策に役立ててほしいとしている。
新型コロナが原因で、アメリカでは多くのことが劇的に変化している。
かつては「ウイルスはある日ミラクルで消えて無くなる」と楽観的だったトランプ大統領も、今は真顔で「この数週間はとても過酷で、つらい時期になる」と語っている。
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すでに出されている外出禁止令の期限は延期され、新たに加わる州が増え続けている。
大統領からのガイドラインに従い、国民はソーシャル・ディスタンス(社交的距離)を6フィート(1.8メートル)取らなくてはならない。スーパーのレジの前には6フィートごとにテープが貼られ、客はその位置で待つようになっている。入店人数も制限され、外で待つ場合は6フィートずつ離れて列を作る。
多くの店が営業時間を短縮し、終業後に消毒をする。翌日の開店直後は免疫の弱いお年寄りが買い物する時間に割り当てられる。レジに透明なシールドの壁を取り付ける店も出てきた。ウーバーなどの運転席にもシールドを導入する例が見られる。日本のタクシーが付けているものと似ている。
レストランはテイクアウトだけなので、お店の中には入れず、戸口で食べ物を受け取る。クレジットカードのやり取りも避けるようになり、ペンに触らなくていいように店員が代わりにサインしてくれるところも出てきた。スーパーでは、表面を触ることで感染が拡大する可能性があるため、持ち込みのエコバッグを禁止する州もある。
活況を呈しているのはドライブスルーだ。
スターバックスはドライブスルーだけの対応となり、コーヒーのために車が列を作る。銀行のATMやコロナウイルスの検査もドライブスルーで可能。オンラインで買ったものは店先でトランクに詰めてくれるので、車から降りずに買い物ができる。
外出禁止になる前までは想像しなかったような物までがオンラインに移行している。無料で会話できるソフトが多数あるなかで、圧倒的な支持を得ているのがZoom(ズーム)というオンライン会議システムだ。学校の授業や企業のカンファレンスに使われるほか、講演、宗教の礼拝サービス、スポーツジムやバレエのクラス、音楽指導、コンサート、友達同士の会話、時にはバースデーパーティーまでがオンラインでおこなわれている。
テレビ会議システムでは、一人一人の動きが目障りになることがあるので、動きを最小限にし、ハンドサインはこう送ろうなどマナーの提言も見られるようになってきた。ちょうどeメールが普及し始めた当時、あちこちでマナーの議論が起きた頃のようだ。
テレビキャスターのなかに、自宅からオンエアする人が出てきた。メディアの活動は外出禁止の対象外でそこまでする必要はないし、音質も落ちるのだが、このご時世に意義は大きい。
オンラインでは個々の部屋やインテリアの趣味、ペットなどが垣間見られ、新たな楽しみとなっている。一方で、
外出が減ったせいか、ビジネスパンツの売り上げは下がっているそうだ。
さらにこの1カ月でアメリカが大きく変わったのは、マスクに対する意識だろう。街中でマスク姿を見かけることはほぼなかったが、今では買い物客のマスク姿も頻繁に見かける。
メディアでは少し前から効果があるのかが議論となっていて、すでに「アジアが正しかった」等の記事が見られる。
ニューヨークタイムズは手作りマスクの作り方を公開。ファイナンシャルタイムズは、各国の罹患者数をグラフにしているが、早い時期から感染者数の少ない日本に「社会的節度とマスクをしているからだ」とのコメントを載せていた。
CDCの公式見解は「マスクは病気になった人と医療従事者がするもの」だが、今後、この方針は変わるかもしれない。症状の出る前から他人に感染させてしまうと発表したのだから、罹患者でなくても外出時にマスクをするのは意味があることになる。(取材・文/白戸京子)