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7年半も放置された「数学の証明」…大天才が戦って得た栄冠

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2020.04.08 06:00 最終更新日:2020.04.08 06:00

7年半も放置された「数学の証明」…大天才が戦って得た栄冠

2013年11月、講演する望月教授

 

 京都大学は4月3日、同大・数理解析研究所の望月新一教授(51)による「ABC予想」を証明する論文が、数学専門誌に掲載されると発表した。これまで35年間、誰も証明できなかった超難問が、ついに解かれた、歴史的快挙だ。

 

 だが、この論文を望月教授が発表したのは2012年8月。つまり、査読を経て「誤りがない」と認められるまで、7年半もかかったのだ。なぜこれほど長期化したのか。

 

 

 ひとつは、望月教授が10年以上の歳月をかけて構築した、「ABC予想」を証明する際に軸となる「IUT理論」が、あまりに革新的な内容だからだ。望月教授自身、「『IUT理論』を理解するのには、専門家でも “半年弱程度の努力” が必要だ」と認めている。

 

 さらに、論文への無理解、批判もあったようだ。2020年1月には、望月教授が自身のブログで、論文が実質 “放置” されており、「海外の数学界の(中略)妨害活動」が存在するとまで訴えていたのだ。

 

 天才数学者は異例の戦いを長期間続けて、この栄冠をついに勝ち取った。まさに、あっぱれ!

 


写真・朝日新聞

 

(週刊FLASH 2020年4月21日号)

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