●無人レストラン/デジタル度★★★★☆
テーブルのQRコードを読み取り、スマホで注文。日本の居酒屋のタッチパネル感覚だ。その後、扉つきボックスに料理が届く。
「中華ちまきで有名な老舗『五芳齋』がアリババとコラボ。ホールスタッフはおらずレジもなく、注文・支払いはアリババの決済アプリ『アリペイ』でおこないます。味気なく感じますが、合理的で中国らしい」
●無人スーパー/デジタル度★★★★★
前日の深夜24時までに注文すれば、16時以降には受け取れる。
「庶民向け団地に設置された冷蔵ロッカーで、『食行生鮮』というネットスーパーのサービス。アプリで注文しておけば、ロッカーに商品が届く仕組み。農薬の検査結果をスマホで確認でき、市場には足を運ぶ必要がない」
●無人ホテル/デジタル度★★★★★
上の写真のように、ロビーにはタッチスクリーンのチェックイン機がある。ルームサービスを頼むと、ロボットが運んできてくれる。利用方法は以下の通りだ。
1)ドアの前に立てば自動解錠。室内にはAIスピーカーが設置されている
2)エレベーター操作も顔認証
「中国IT企業『アリババ』が浙江省杭州市に造った近未来型ホテル『Fly Zoo Hotel』。全サービスが顔認証でパスでき、館内ではロボットやAIスピーカーが活躍。非常におもしろい体験でした」(西谷氏・以下同)
日本は、なぜこうも差をつけられてしまったのか。中国の社会事情に詳しいジャーナリスト・高口康太氏は語る。
「デジタル後進国だったゆえに、技術を取り入れやすかったのがひとつ。大きな転換点は、2013年ごろからの4G携帯の普及、スマホにあらゆる便利なサービスを集約したことが、今日のモバイルネット社会を築いた勝因に繋がっています」
中国流デジタル商売の行きつく先は、徹底した無人化。これを進歩と取るかは、あなた次第だ――。
写真提供・西谷格氏
※通貨レートは、1元=15円で計算
(週刊FLASH 2020年4月21日号)