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甲子園中止の影響は…強豪「神戸弘陵」どうなる3年生の進路?

スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2020.06.29 06:00 最終更新日:2020.06.29 06:00

●セレクションで映える子は少数……失われた選手たちの “見せ場”

 

 甲子園が中止になった影響は、野島・武田選手ら3年生たちの進路にも影響を与えていた。

 

「大会がなくなって、選手たちが希望進路先にアピールする場所が限られてきました。

 

 たとえば、プロ志望の野島に関しては、私の仕事として『来週にはピッチングができる状態です』など、スカウトの方と密に連絡を取らせてもらっています。スカウトの方もこまめに見に来てくださいますし、こちらから動画を送らせていただいたりすることもあります。

 

 ただ、『ゲームのなかで打者に対して』というのはお見せできていませんので、本人が一番不安ではないでしょうか。ゲーム中にアドレナリンが出て投げてるときとピッチング練習とでは、まったく違いますから。

 

 実際、野島自身も、『プロがだめなら進学も考えてます』と、少し弱気になってきてるのは事実です。本当はスカウトの方にも、自信満々に投げている姿を見せたいんですけどね……」(岡本監督)

 

 野島投手は、いまの心境をこう明かす。

 

「活躍できる場が減って、自分がアピールできる場がなくなったんですけど、スカウトの方に来てもらったときに、どうアピールしていくかを考えています。

 

『明日が試合です』と言われても、投げられる状態には仕上げています。好きなチームはなく、プロになれるんだったら、どこへでも行きます」

 

 一方、大学・社会人野球を目指す選手たちも同様に、“見せ場” を失っている。

 

「本来なら大学に進学する子は、先方の練習に参加したりする時期なんですが、それもまったくできていない状況です。今までは、大学の方に春の県大会を見てもらって、話がどんどん進んでいきましたが、今年はそれがまったくない。

 

 先輩が行っている学校や、本人の希望校に連絡を取ってはみるのですが、『6月中旬までは、大学として活動はしない』という返答をいただいたりしています」(岡本監督)

 

 岡本監督には、懸念があった。

 

「正直、うちのチームは体の線が細く小さい子が多くて、100人~200人いるセレクションでは、映える子が少ないんです。逆に、試合で活躍している姿を見てもらって、『この子は試合で使えますよ』というアピールで開花する子が多い。

 

 例年なら進路選択が終わっていた7月や8月にズレ込んだら、一発勝負になってしまう。そこにきて、夏の大会がないんですから……」(同前)

 

 大学野球をめざす武田選手は、不安を払拭するように、目の前の大会に意欲を見せる。

 

「先を考えたときに、『活躍する場がなくなった』という不安は、もちろんあります。

 

 大学は、『野球が強いところに行けたら』と思っていて、東都(大学野球連盟所属)の大学に連れて行っていただいたり。それもあって、『関東で勝負したい』と思っています。大学を経て、プロに行けるように頑張るつもりです。いまは、代替大会で活躍できるように頑張っています」

 

 野球部のメンバーそれぞれが、さまざまな思いを抱えながら迎える代替大会。アフターコロナの高校野球はどうなるのか?

 

「いまはコロナの感染対策もそうですが、ケガをさせないようにすることに注意を払ってます。練習は、ストップをかけながらやっていかないといけませんね。熱中症のこともありますし。

 

 1年生には、声出しやあいさつの仕方から教えていたんですが、今年はそれも難しいかなと。なにせ、『大声で、集団で』というのができないですから。当たり前にやってきたことが、すべて出来ない。

 

 代替大会があれば、『3年生全員に背番号をつけさせてほしい』という要望をだしてます。あといま僕にできるのは、“出口” というか進路を、どうもっていってあげられるかに注力することだけです」(岡本監督)

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