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待ってろ東京五輪/7人制ラグビー「中村知春」リオの雪辱を!
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2020.08.16 20:00 最終更新日:2020.08.16 20:00
東京五輪開催を信じて……日の丸戦士たちの、ブレないメダルへの思いとは--。アスリートたちが、「1年後への金言」を寄せてくれた。今回は、7人制ラグビーの中村知春(32)だ。
ラグビーが好きだから、五輪の舞台で結果を残したかった。年間200日を超える合宿を乗り越えてきた仲間もいたし、男子にも負けないハードワークをこなしてきたという自信もあった--。
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しかしリオの舞台は、そんな中村の思いを、木っ端微塵に打ち砕いた(1勝4敗の10位)。
「リオが終わった直後は、心身ともにボロボロで。NHKの五輪オフィシャルソングだった安室奈美恵さんの『Hero』も聴きたくないくらい、リオの記憶から逃げまわっていました。自分のすべてが完全否定された気になっちゃったんですよね」
それは光のない、闇の世界。もがき苦しみ、その闇の中で、あてどもなく彷徨い続けた。
「『ここでラグビーから離れたら、二度と戻れないだろうな』と思って、なんとなくラグビーだけは続けていたんですけどね」
そんな思い悩む中村を救ってくれたのは、やっぱりラグビーだった。
「1+1を3にも4にもするのは、スピードとテクニック、そしに絶対に諦めない心。感情も思いも仲間との関係も、すべてが丸出しになるのがラグビー。そこがラグビーの魅力だし、ラグビーのおもしろいところ。
だからこそ、ひとつの舞台、ひとつの結果にとらわれすぎず、いかなる状況に置かれても、ラグビーの価値やスポーツの本質を伝えられるアスリートになりたいと思っています」
東京五輪で雪辱を果たすために、胸に秘めた思いを明かす。
「スポーツだからこそ伝えられる “リアル” を大切に、スポーツを超えた “価値” を見つけてもらえるような選手にならないといけない。チーム全員の、今後の人生の支えになるような瞬間を、1年で作り上げていきます。メダルは目標であって、目的ではない」
中村が見据えているのは、五輪後の女子ラグビー
なかむらちはる
1988年4月25日生まれ 神奈川県出身 162cm64kg 法政大在学中にラグビーを始め、卒業後は電通東日本に入社。ナナイロプリズム福岡のGM兼選手。リオ五輪で主将を務めた女子7人制ラグビー代表候補
写真・槇野翔太
取材&文・工藤晋
(増刊FLASH DIAMOND 2020年8月20日号)