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今こそ認めよ「原辰徳は名将である」江本孟紀も中畑清も絶賛

スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2020.09.10 06:00 最終更新日:2020.09.10 06:00

今こそ認めよ「原辰徳は名将である」江本孟紀も中畑清も絶賛

 

 巨人ひと筋の監督歴14年、積み上げた勝ち星は1063個(9月7日時点)。原辰徳監督(62)は、伝説の巨人V9を達成した故・川上哲治氏が打ち立てた球団記録の1066勝を、今まさに抜かんとしている。

 

 だがその手腕については、名将と讃えられた先人に比べ、なぜか評価が低い。「各チームの主力をFAで引き抜ける、金満球団だから勝てているだけだ」と、必ず枕詞がつくのである。

 

 

 そうした世間の評価に対して異を唱えるのが、2020年7月に『監督 原辰徳研究』(徳間書店)を上梓した、野球解説者の江本孟紀氏(73)だ。

 

「近年で名将といえばまず、野村克也さんの名前が挙がります。確かに勝利数も多く、『再生工場』とも呼ばれていました。でもそれは、南海とヤクルトの監督時代まで。阪神、楽天の7年間では、大きく負け越しています。

 

 通算勝利数では、原監督に対して野村さんがリードしていますが、通算勝ち越し数でいえば、野村さんの2勝に対して、原監督は264勝と圧倒的。しかも1シーズンあたりの平均勝利数は、野村さんの65勝に対し、原監督は78勝も挙げているのです。

 

 78勝という数字は、チームが優勝できるかどうかのボーダーライン。言い換えれば原監督は毎年、優勝争いをしているということ。もっと評価されるべきです」

 

 では、なぜ原監督は名将と呼ばれないのか。 「ひとつは、“顔” のせいですよ(笑)」と江本氏は続ける。

 

「現役時代から『若大将』と呼ばれ、爽やかなイメージが先行していました。それは監督になっても変わりません。

 

 一方で、野村さんや星野仙一さんは父親のいない家庭で育ち、貧しさのなかで苦労してきました。『爽やかな坊ちゃんよりも、苦労人のほうが名将のはず』と周囲が勝手に思い込み、イメージ先行で、原監督の評価が下がっているんです」

 

 だが江本氏によれば、“坊ちゃん” 然とした表情は、キャリアを重ねるなかで変わっていったという。そのきっかけは、第一次原監督体制の2年め、2003年のことだった。

 

 前年、巨人を就任1年めで日本一に導いた原監督だが、この年は3位に沈んだ。その結果、辞任に追い込まれたが、球団側はこの事実上の “解任” を「読売グループ内での人事異動だ」と、強弁したのだ。

 

「当初、私は原監督を、巨人という巨大組織の指示に唯々諾々と従うだけの人物だと思っていました。そこで、“人事異動” 発表後の消化試合を取材しに行くと、彼は開口一番、『クビになりました!』とあっけらかんと言ってきた。

 

 やはり気にしていないのかなと思い、少し話をして立ち去ろうとすると、呼び止められたんです。そのときは驚きました。鬼の形相で『江本さん、こんな屈辱は人生で初めてですから!』と吐き捨てるように言ったんです。相当悔しかったんですね。

 

 でも、この経験が反骨精神を育み、原辰徳という人間を名将にしたのだと思います。その後、監督に復帰してから、明らかに采配が変わりましたから」

 

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