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セ・リーグ本塁打王へ…「阪神・大山悠輔」を奮起させた父の一言
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2020.10.22 06:00 最終更新日:2020.10.22 06:00
「指名には、本人も驚きの様子でした。大学に集まった記者たちも、1位指名とは思っておらず、翌朝『仰天!』と見出しを打った新聞もありました」
2016年10月のドラフト会議で、現・阪神タイガースの大山悠輔(25)が1位指名された当時の様子を、あるスポーツ紙記者はそう振り返る。「関甲新学生野球リーグ」の白鴎大学に在学していた彼の前評判は、高くはなかった。
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「ドラフト当時の金本知憲監督(52)からの期待はかなり大きく、その後に就任した矢野燿大監督(51)も、2019年の開幕から四番に大山を据えました。ですが、守備のミスと打撃不振が重なり、8月には外されてしまった」(前出の記者)
好不調の波が大きい大山に、阪神ファンからも批判の声があった。
「息子への批判は、涙が出るほど悔しいですが、プロになる以上は覚悟していました」
そう明かしてくれたのは、茨城県下妻市に住む大山の父・正美さん(53)だ。自身も野球経験者だったが、息子とはキャッチボール程度。幼いころから、指導はチームの監督に一任してきた正美さんが、悩める息子に伝えたことがある。
「結果がいちばんなので、成績で見返してほしい。そして、『悠輔が打たなかったら、せっかく指名してくださった金本さんの責任にもなるんじゃないか』と言いました」
父の言葉で奮起した今季の大山は、7月途中から阪神の四番を再奪取。10月19日現在、26本塁打でセ・リーグ本塁打王だ。広い甲子園球場を持つ阪神で、掛布雅之氏以来の、日本人本塁打王も見えてきた。
「24号を打ったときには、本人に連絡しました。(ライバルの)巨人の岡本和真選手の前で打ちましたしね。
悠輔は小学校のころから『プロ野球選手になるんだ』と言い続け、高校でもプロ志向は強かったんです。でも、最後の夏の県大会の結果が思わしくなくて(1回戦敗退)、プロ志望届を出しませんでした。その後、大学で1位指名。さらには阪神の四番を打たせてもらい、とても光栄です」(正美さん)
正美さんは、5年前から下妻市内の「そば処きぬ」で働き、2021年から自身の店を開業する。
「より一層、私も頑張らないとですね。悠輔は、年末年始には下妻に帰省するんですけど、じつは私のそばを食べてくれなくて(苦笑)」
キングで凱旋だ!
(週刊FLASH 2020年11月3日号)