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阪神・大山の獲得失敗…巨人のFA連敗は今年も継続中、OBが明かす球団の“致命的な弱点”「夜にドームで打ち込みをしていると警備員が」
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2024.12.01 20:25 最終更新日:2024.12.01 20:25
巨人がFA争奪戦でまたもや敗れた。
阪神からFA宣言していた大山悠輔内野手は、11月25日に行われた阪神の球団納会に欠席したことで、巨人入りは確実と見られていた。巨人としても、阪神の5年総額20億円規模の条件を上回る6年24億円超を提示し、誠意を見せていた。
さらに主力の坂本勇人が11月26日の契約更改後、「大山君はいい子なので、来てほしいと思います」と言えば、岡本和真も同日の「NPBアワーズ」で「ジャイアンツに来られるとなれば一緒に同じ右バッターとして2人で高め合いたいなと思います。チーム内で競い合いたいなという気持ちもあります」と語っていた。
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だが、熱烈なエールも大山には届かなかったようだ。
11月29日、「本当に最後の最後まで悩みました」と前置きしたうえで、大山は阪神残留を発表したのだ。この瞬間、巨人の目論見は、大きく崩れた。
かつて「FAといえば巨人」と言われるほど、FA戦線は巨人の独壇場という時代があった。それこそ各球団の4番を根こそぎFAで獲っていったのだ。
しかし、2020年オフに梶谷隆幸外野手と井納翔一投手(ともに横浜DeNA)を獲得したのが最後。2019年には美馬学投手(楽天→ロッテ)、2022年には森友哉捕手(西武→オリックス)、2023年には山崎福也投手(オリックス→日ハム)と獲得に失敗。そして今年の大山で、連敗記録を更新したのだ。
さらにFAではないが、今季開幕直後には米球界から復帰した筒香嘉智外野手(DeNA)の獲得にも失敗していた。
なぜここまで負けが続くのか。FAで巨人に入団したOBが、かつて、その理由を語ってくれた。
「もちろん僕の時代は、巨人は実績も人気も断トツだったので、FAで入団したいと思う選手は大勢いました。ドラフトはくじ運もありますが、FAなら自分の意志で行けますからね。それに、引退するときのチームが巨人なら、“巨人OB”と世間や業界が認識してくれて、引退した後の仕事でも名前が利きました。でも、それは昔の話。メジャーを経験した元野球選手が多数いる今は、巨人OBの名前で楽々と仕事が舞い込むほど簡単な時代ではなくなりました。
それともう一つ重要なのは、巨人にはナイターの試合後に練習する場所がないということ。たとえば西武の場合はベルーナドームの横に立派な室内練習場がありますから、試合後に打ち込める環境が整っている。
ところが巨人の場合、東京ドーム近くにそういった施設はありません。仕方なく、僕はバッティング内容に納得でないときには、試合後に東京ドームで打ち込むことはありました。でも、そのうちに警備員さんたちがグラウンドに来て、『そろそろ止めてくれないかな。そうしないと俺たち帰れないんだけどな』といった無言のプレッシャーをかけてくるんです(笑)。これだと満足に打ち込めない。
ある選手は、そうした無言の圧力を無視して打ち込んでいたら、電気を消されたと言っていましたからね。かといって、よみうりランドの施設に行くとなると移動に時間がかかりすぎて、深夜になってしまう。こうした事情を今の選手たちも知るようになり、『巨人にいたら打ち込みが必要なときにできないし、自分を高めるには待遇などの条件が良くない球団』とわかってきたんです」
今オフ、巨人は大山以外にも甲斐拓也捕手、石川柊太投手(ともにソフトバンク)を狙っているという。果たして連敗に終止符を打てるのか。
( SmartFLASH )