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原ジャイアンツ「独走V!」でも喜べない…データが示す「日本一にはなれない」不吉なジンクス

スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2020.11.01 17:00 最終更新日:2020.11.01 17:00

原ジャイアンツ「独走V!」でも喜べない…データが示す「日本一にはなれない」不吉なジンクス

原監督は、セ独走Vによるチームの緊張感の喪失を防げるか!?

 

 10月30日、巨人が38回めのセ・リーグ制覇を果たした。9月15日には優勝マジック「38」が点灯。今季は試合数が短縮されているとはいえ、開幕からわずか3カ月足らずの、72試合めでのマジック点灯は、2003年の阪神の76試合めを上回るセ・リーグ最速記録だった。

 

「マジック5となった10月23日から5連敗を喫して、終盤はやや失速したが、終わってみれば2位阪神に8.5ゲーム差。まさに独走優勝だったといえる。

 

 

 また失速の要因は、過密スケジュールによるブルペン陣の疲れ。とくに中継ぎ・抑えとフル回転していた中川皓太が、左脇腹痛で離脱したことが大きかった。ただ、現在は日本シリーズでの復帰も確実視されるほど復調し、むしろ中川にとっては、いい休養になったのではないか」(巨人担当記者)

 

 2020年シーズンの巨人の特筆すべき点は、投打のバランスだ。3割打者はひとりもおらず、投手でも、規定投球回数に達したのは菅野智之(31)ただひとり。それこそヒーローは日替わりのように生まれ、それを引き出した原辰徳監督(62)の采配も賞賛すべきところだろう。

 

 こうなると、ファンの視線は8年ぶりの「日本一」しかない。しかし独走Vの裏には、不吉なジンクスが潜んでいることも忘れてはいけない。

 

 2020年は、新型コロナウイルスの影響で、日程が変則的になっている。パ・リーグはCSのファーストステージを中止にしたものの、ファイナルステージは開催する。言い換えれば、ペナント後も緊張感のある戦いが続くのだ。

 

 一方のセ・リーグは、CSそのものを中止した。となれば、あまりにも早い優勝を決めると、緊張感を保てる実戦から離れてしまうことになる。

 

 1990年、巨人は2位に22ゲーム差をつけ、独走優勝をはたした。だが、その後の日本シリーズ開幕までは、42日間待たなければいけない状況となった。当時を知る、巨人OBが語る。

 

「あまりにも早い優勝だったので、日本シリーズに向けてキャンプもやりました。でも、一度、緊張感から解放されたため、どこか気合が入らない。しかも、日本シリーズの対戦相手がなかなか決まりませんでした。真剣勝負の実戦感覚もなくなってしまい、調整が本当に難しかったことを覚えています」

 

 42日間待たされた日本シリーズで、巨人は西武に4連敗という屈辱を味わった。

 

 過去に、2位に10ゲーム差以上をつけて優勝したチームは、両リーグあわせて、のべ32チーム。そのうち、独走したチーム同士の戦いとなった10回を除く、22回の日本シリーズの結果を見ると、独走優勝したほうのチームが日本シリーズを制したケースは、半分以下の10回に限られている。

 

「ソフトバンクも優勝を決めた10月27日には、2位ロッテに10.5ゲーム差をつけており、巨人と同じく独走優勝だった。ただ、CSが待っているという点で、いまだ緊張感を強いられる戦いを続けている。

 

 対する巨人は、優勝を決めたあとは、タイトル争いなど個人の記録が中心。そうなると、どうしてもそれ以外の選手は緊張感が欠けてしまう。ソフトバンク、あるいは2位のチームが日本シリーズに出てきても、実戦感覚が薄れる巨人の不利は否めない」(前出・記者)

 

 原巨人にとって独走Vは、決して喜んでばかりいられる結果ではないのだ。

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