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山田哲人のヤクルト残留理由は…張り込みカメラマンが目撃した超一流の「危機察知能力」

スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2020.11.23 20:06 最終更新日:2020.11.23 20:24

山田哲人のヤクルト残留理由は…張り込みカメラマンが目撃した超一流の「危機察知能力」

2019の「世界野球 プレミア12」決勝では、逆転3ランを放った山田

 

 2020年のプロ野球で、FA戦線最大の目玉とされていたヤクルトスワローズの山田哲人(28)が、35歳までの7年契約を結んで残留を決めた。「総額35億円プラス出来高」という、超大型契約を結ぶと見られている。

 

 山田は2015年、史上初となる本塁打王と盗塁王を同時獲得。さらに打率3割、30本塁打、30盗塁を記録する「トリプルスリー」を、日本プロ野球史上でただひとり3回達成した、文字通りスタープレーヤーだ。

 

 

 FA宣言すれば、間違いなく他球団が獲得に動くはずだったが、“拍子抜け” ともいうべき残留決定に、ファンの間では「結局、残留かよ……」という声もあがった。しかし「元来、山田はとても慎重な性格です」とスポーツ紙記者は語る。

 

「山田がFA移籍するなら、有力候補だったのが巨人とソフトバンク。山田のポジションはセカンドですが、巨人には吉川(尚輝)、ソフトバンクには周東(佑京)と、それぞれセカンドには次世代を担う選手がすでにいる。移籍しても、ポジションは決して安泰ではないのです。

 

 さらに両チームとも、数字を残せないFA組は容赦なく切り捨ててきました。そのため山田も、『ヤクルトに残った方が安泰』と考えたのでしょう。2020年は、あまりいい成績を残せていないですしね」

 

 じつは山田の「慎重な性格」を、週刊誌業界で活躍する張り込みカメラマンが “体感” していた。山田が3度めのトリプルスリーを達成した、2018年夏のこと、東京・麻布十番で別件の張り込み取材をおこなっていたカメラマンの車の横に、偶然にも赤信号で山田が運転する高級外車が止まったのだ。

 

「バックミラーに “いかにも” な高級外車がうつり、『おや?』と思って横を見たら、左ハンドルを握る山田選手が目に飛び込んできました。目が合ったような気もしましたが、一瞬のことでしたし、『さすがにこちらの素性はバレてはいないだろう』と、走り出した彼の車を追いました」(カメラマン)

 

 山田の車は、飲食店が立ち並ぶ一角にあるコインパーキングへ。車を停めた山田は、カメラマンの車のほうに歩いてくると、チラリと目線を寄越したという。そのまま歩いて十字路にさしかかった山田の背中を、カメラマンは追った。

 

「山田選手が十字路を右に入ったのを確認してから、こちらもダッシュで向かいました。その間、10秒ぐらいでした。でも私が右に曲がったら、山田選手の姿は、もう消えていたんです……。

 

 曲がった先は見通しのよい道で、すぐ近くに飲食店や曲がり角もありません。どう考えても、曲がった瞬間に猛ダッシュしたとしか思えませんでした。スタートダッシュのキレを目の当たりにし、『さすがはトリプルスリーの脚だ』と感心しました。

 

 そして同時に、一瞬すれ違っただけで私を警戒した『危機察知能力』の高さに、驚いたのを覚えています。記録に残る『走』『攻』だけでなく、『守』にも長けているんだなと」

 

 前出のスポーツ紙記者が、解説する。

 

「山田のトリプルスリーの中で、とびぬけて天才的なのが盗塁。50m走のタイムが5秒67と、基本的な走力が高いのはもちろん、球界でも圧倒的なスタートの良さを誇ります。とくにスタートしてからトップに入る速さは球界屈指。さらに中間での加速にも優れ、スピードが落ちないままのスライディング……と、すべての要素がそろっているんです。

 

 対戦した投手によれば、山田は塁に出てもリードは大きくなく、表情もうつろで、走る気配を見せない。なのに、気がつくと、初球でスタートを切られているそうなんです。おまけに盗塁を決めやすい変化球の見切りなど、配球の読みもうまい。それだけ周りがよく見えているということであり、『危機察知能力』の高さがうかがえます」

 

 繁華街でも、張り込みカメラマンに対して、超一流の危機察知能力を発揮した山田。今回のヤクルト残留も、英断に違いない。

 

写真・AP/アフロ

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