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古江彩佳、1億円突破の女子ゴルフ“新女王候補”は「同僚女子に好かれる女」
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2020.12.09 06:00 最終更新日:2020.12.09 10:54
「高校3年の12月に、本人とご両親、滝川第二高(兵庫県)ゴルフ部の角谷真吾監督と話し合ったうえで、研修生として受け入れることになりました。『どうなりたいんや?』と聞いたら、『プロになって、一番になりたいんです』と言っていたのが印象に残っています」
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そう話すのは、2020年シーズンに3勝をあげた古江彩佳(20)が、高校卒業後の2019年4月から10月まで「研修生」として通っていた、六甲国際ゴルフ倶楽部・統括部長の藤生定幸さん(52)だ。
「ゴルフへの取り組みや練習に対する真剣さは、私が今まで見てきた選手のなかでは群を抜いていましたね。普通の研修生は、まずはショットの練習をするんですが、彼女はいちばん苦手なパターから真っ先にやっていました。パターとアプローチの練習量は、半端なかったですね。
よくやっていたのは、グリーン上にボールを2球並べて、パターで一度に2球とも打つ練習。まっすぐに当たると、スーッとカップに入るんですが、少しでもズレるとバラバラに転がっていく。この練習を3mぐらいの距離から、ずっとやっていましたね。
長いクラブほど練習時間は少なくて、ドライバーは一日に数球程度だったと思います」(藤生さん)
研修生時代には、朝7時に出勤して、お客さんのゴルフバッグの積み下ろしをしたあと、キャディとしてコースをまわる。14時過ぎに業務が終わると、個人練習や研修生たちとラウンドしていたという。
「じっとしているのが嫌いみたいで、デスクワークは苦手でした(笑)。忙しく動き回っていましたが、背が低いので『ゴルフバッグに隠れるんちゃうか』って、みんなで笑ってましたね。
当時はそんなにメイクはしていなかったんですが、『コロナの影響で何もすることがなかったので、YouTubeを見てメイクを覚えた』と言っていました。浜崎あゆみが大好きで、正キャディから、あゆのグッズをもらって喜んでいました。
いつもニコニコしているから、正キャディや従業員から、かわいがられていて、とくに年上の女性メンバーさんからの人気は絶大でした。いつも、『へへへ』って笑ってた印象ですね」(藤生さん)
ゴルフ専門のカメラマンも、「どのホールで写真を撮っても、いつも笑顔という印象」と話す。彼女の強さの秘密は、“スマイル” にもあるようだ。
日韓のゴルフ事情に詳しいスポーツライターのキム・ミョンウ氏が、出身校である滝川二高ゴルフ部の角谷監督に取材したときの様子を明かしてくれた。
「彼女はいつもニコニコしていて、ミスをしても顔に出さないし、落ち込むことはなかったそうです。高校時代は怪我をしたことがなかったので、団体戦も安心してまかせられたと。
野球でいうとアベレージヒッター、安打製造機だったそうで、確実に “ヒット” を打ってくれるのが古江だったと話していました。心・技・体のバランスが優れた選手だったんでしょうね」
たしかに彼女は、淡々とプレーする堅実なゴルフが持ち味だ。2020年最終戦の「リコーカップ」では、ツアータイ記録の4イーグルを達成したが、パー5で2オンを狙わず、3オンを狙った結果、すべてグリーンの外から決めた。
「彼女自身も、『ボギーを打った記憶がほとんどない』というほど、ショットの精度の高さはツアー屈指。安定感を物語るように、パーセーブ率は91.6%で、ツアートップの成績を誇っています」(キム氏)
11月30日付の世界ランキングは14位。渋野日向子(22)を抜いて、7位の畑岡奈紗(21)に次ぐ、日本人選手2番手に躍り出て、東京五輪出場圏内に浮上した。12月10日に開幕する「全米女子オープン」にも出場する。史上4番めの早さとなる通算18試合で、生涯獲得賞金が1億円を突破した。
報道陣から「1億円突破のご褒美は?」と聞かれ、「ディズニーランドとあゆ(浜崎あゆみ)のライブに行きたい」と、笑顔を見せていた古江。抜群の安定感と “渋野超え” の笑顔で、2021年は賞金女王を目指す。
写真・森田直樹/アフロスポーツ
(週刊FLASH 2020年12月22日号)