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「それでも阪神は優勝できない」と岡田彰布元監督…史上初・開幕勝率8割で首位快走も残る“不安要素”

スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2021.04.27 06:00 最終更新日:2021.04.27 06:00

「それでも阪神は優勝できない」と岡田彰布元監督…史上初・開幕勝率8割で首位快走も残る“不安要素”

4月20日、巨人に勝利し、8連勝を喜ぶ阪神ナイン。その後3連敗したが、首位をキープ

 

 矢野燿大監督(52)率いる、阪神タイガースが快調だ。2021年シーズンは投打とも隙のない戦いが続き、4月20日には、2リーグ分立後では球団史上初となる、20試合めで16勝に到達。4月23日現在も、2位巨人に1ゲーム差をつけ、首位に立っている。

 

 

 16年ぶりの優勝へ――。虎党たちの熱い思いとは裏腹に、「それでも阪神は優勝できません」と断言するのは、2005年に阪神をリーグ優勝に導いた岡田彰布氏(63)だ。

 

「じつは開幕前は、阪神が優勝すると予想していました。しかし、それは巨人の菅野智之投手(31)がメジャーに行くことが前提でした。残留となったからには、総合的な戦力は巨人が上です。残念ですが、優勝は巨人。阪神は優勝できません」

 

 さらに、阪神OBの広澤克実氏(59)も、阪神優勝を願いつつ、不安な点を挙げる。

 

「大阪で新型コロナの感染拡大が進んでいます。最悪の場合、2021年夏は甲子園球場で試合ができなくなるかもしれません。その場合、代替地が少々気になります。岡山県の倉敷マスカットスタジアムになった場合、屋外球場なので、暑さや日照りなど、厳しい環境を強いられます。

 

 とはいえ、私は阪神の独走Vを予想しています。むしろ心配なのは、クライマックスシリーズで巨人に負けることです(笑)」

 

 阪神の快勝は、「できすぎている」と語るのは、同じく阪神OBの江本孟紀氏(73)だ。

 

「ここまでの試合では、ジョー・ガンケル(29)を筆頭とする先発陣が、ほとんどの試合で5回以上を投げ、しかも少ない失点で抑えています。これはめったにないことで、できすぎです。打線も、いまがピークでしょう。あとはどれだけ調子の下落を抑えられるか。

 

 2021年は、東京五輪の影響でプロ野球が1カ月中断するし、コロナ禍で甲子園開催も危ぶまれています。後半戦は非常にタイトなスケジュールになるので、巨人よりも選手層の薄い阪神は、スタミナ面で厳しい立場に立たされます。茨の道が待っていますよ」

 

 阪神の優勝を阻むものとして多くのOBが挙げるのは、コロナ禍と、2021年に特有の特殊なスケジュール。だが、大の阪神ファンで、阪神関連の著作を多数執筆している作家の山田隆道氏は、選手にも問題があると指摘する。

 

「これまで阪神が優勝したときは、ほとんどがぶっちぎりの独走でした。裏を返せば阪神は、競り合ってぎりぎりを勝ち抜くことができません。競合相手が巨人であれば、意識しすぎてさらに負けるのが阪神なんです。

 

 阪神打線は、いまの菅野なら打てるかもしれませんが、9月の菅野は打てないですし、いまの藤浪(27)が巨人打線を抑えられても、9月には抑えられない。まさに天王山に弱いのが阪神です。

 

 また、1985年の優勝時には掛布雅之(65)、2003年と2005年には金本知憲(53)という、精神的支柱になるリーダーがいました。でも、いまのチームにはいません。僕も阪神の優勝は、ないと思っています」

 

 また、阪神担当記者は、矢野監督を問題視する。

 

「現在の好調の要因は、投手野手ともに、自分の仕事をしているから。言い換えれば、矢野監督に目立った采配がないから、勝てているといわれています。

 

 たとえば巨人の原辰徳監督(62)なら、どうしても1点が欲しい場面では、坂本勇人選手(32)にも岡本和真選手(24)にも、平気でバントのサインを出します。でも矢野監督は、ただイケイケドンドンで打たせるだけ。非情な采配ができません」

 

 冒頭の岡田氏は、矢野監督にアドバイスを送る。

 

「実際、好調はそんなに続かないものです。4試合やって、1つ負けるぐらいがちょうどいい。実際、私も阪神で10連勝と9連敗を経験しましたから(笑)。矢野監督には、これから心配事が増えてくることを考えておいたほうがいい、とアドバイスしたいね」

 

 今後、猛虎が猫にならないといいが……。

 

写真・時事通信

 

(週刊FLASH 2021年5月11日・18日合併号)

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