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箱根駅伝「青山学院」を三冠に導くスーパー1年生は元野球部

スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2016.12.30 17:00 最終更新日:2016.12.30 17:00

箱根駅伝「青山学院」を三冠に導くスーパー1年生は元野球部

『元野球少年らしくバッティングポーズを披露』

 

 来年1月2、3日の第93回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)で、初の3連覇と大学駅伝三冠に王手をかけた青山学院大学。

 

 そのチームに、さらに頼もしいホープが登場した。1年生の鈴木塁人(たかと、19)だ。「塁人」という名前は、野球で活躍してほしいと願う両親がつけた。

 

「中学3年の夏までは野球部で、本格的に陸上を始めたのは高校から。お父さんは野球を続けてほしかったらしいですけどね。野球のトレーニングの一環で長距離を走ったら、走るたびに記録が伸びて、それで陸上に転向したんです」

 

 こう語るのは、箱根駅伝ウオッチャーとしても知られる、スポーツライターの生島淳氏だ。

 

 高校は千葉の駅伝強豪校・流通経済大柏高校に進学。高校3年時の国体5000メートルで10位の有望選手だったが、全国大会での入賞経験(8位以内)はなし。

 

 しかし、青山学院大学に進学後、原晋監督(49)のもとで、めきめきと実力をつけてきた。5月、関東インカレの5000メートルでは青学「不動のエース」一色恭志(4年)に優勝を譲ったものの、3位で表彰台に上がった。

 

 6月にベトナムでおこなわれたアジアジュニア選手権の5000メートルで優勝。10月の出雲駅伝では、1年生ながら1区をまかされた。トップとタイム差10秒の5位でタスキを繫ぎ、2年連続優勝に貢献。スーパールーキーと呼べる活躍だ。

 

「原監督は鈴木に箱根の1区を走らせたいと思っている。そのためのテストの意味合いがあった出雲駅伝では、1区を走って流れを作った。

 

 11月の全日本大学駅伝はエントリーだけでしたが、その翌週に箱根駅伝での適性を見るために本番と距離が近い世田谷ハーフマラソンを走らせ、日本人1位の2位。

 

 箱根では一色の2区は決まりだと思いますが、鈴木が1区を走り、2年連続区間賞を獲得している田村和希(3年)などの主力をほかの区間で走らせることができれば、青学はより厚みのあるオーダーになる」(生島氏)

 

 そして、先月26日の1万メートル記録会。青学の主力が多く出場したレースで、鈴木はエースの一色を抜いて3位(28分31秒66)でゴールした。そのタイムは、なんと高校3年時のベスト記録(30分12秒26)を2分近くも縮めるという驚きの成長ぶりだ。

 

 本人も「しっかり、いいアピールができた」と破顔一笑。敗れた一色に、「鈴木は箱根を走れる」と言わしめた。

 

 原監督も「鈴木は強いですからね。故障しないのがいいですよ」と期待をこめてのベタボメだ。流行語大賞に輝いた広島カープの鈴木誠也のように青学の「神ってる」1年生がチームを三冠に導く。

 

(週刊FLASH 2016年12月20日号)

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