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大谷翔平 気配り上手の“女房役”通訳・水原一平氏も給料大幅増「長年務めること自体が実績なんです」

スポーツ 投稿日:2021.07.16 11:00FLASH編集部

大谷翔平 気配り上手の“女房役”通訳・水原一平氏も給料大幅増「長年務めること自体が実績なんです」

2017年から大谷の専属通訳を務める水原氏(写真・Sipa USA/時事通信フォト)

 

 前半戦で33本塁打と驚異的な活躍を見せた大谷翔平(27)。そのシーズン後半戦が、16日(日本時間17日)から始まる。絶好調の大谷を公私にわたって支えているのが、通訳の水原一平氏(36)だ。米国のファンにも「IPPEI」の愛称で親しまれ、いまメジャーでもっとも有名な通訳といっても過言ではないだろう。2人は日本ハム時代からの付き合いで、2017年に大谷のエンゼルス移籍にともない日本ハムを退団し、大谷の専属通訳となった。

 

 

「通訳と信頼関係がないと、選手はよけいなことに神経を使わねばならず、プレーに集中できないと思います。その意味では、水原氏の貢献は大きいでしょうね。なぜなら、通訳は個人マネージャーのような存在でもあり、選手のスケジュールを把握して誘導する役割はもちろん、言葉がわからない選手よりも先に状況を判断して、今何をすべきかを早めに伝える役割もあるからです。

 

 さらに、試合後には球団広報と取材日程の調整をしたり、遠征時にはトラベルマネージャーとスケジュールの調整をしたりと、仕事は広範囲にわたります。グラウンド外でも、球場までの送迎や食事や買い物に付き合ったりなど、そのあたりも通常業務ですね。あとは、選手の子供が病気になった場合には奥さんと一緒に病院に行ったりと、家族のケアも重要な仕事です」

 

 そう語るのは、かつて伊良部秀輝投手の専属通訳を務めていた小島一貴氏だ。大谷の通訳である水原氏はベンチでも大谷と一緒にいることが多く、監督やコーチがマウンド上の大谷のもとへ行くときも同行しているが、かつて通訳は“公認”されていない存在だったという。

 

「私が伊良部さん(当時はテキサスレンジャース)の通訳を務めていた2002年ごろは、ホーム球場での試合でも、通訳がグラウンドやベンチに入ることは規程で認められていませんでした。そのため、伊良部氏がブルペンにいたときは観客席からは見えないリリーフ投手の待機所、登板している間はベンチ裏で通訳をおこなっていました。ピンチでもマウンドに行けなかったことにはやきもきしましたね(笑)」(小島氏)

 

 さらに、通訳の大事な仕事のひとつである、試合後の取材対応にも頭を悩ませたという。

 

「『イラブは質問を受けるとよくしゃべるが、アイツはワンセンテンスしか通訳しないのはなぜなんだ?』と、アメリカ人記者が不満を語っていることを、あるベテランの日本人記者の方が教えてくれたんです。これには思い当たる節がありました。

 

 伊良部さんはアメリカ人記者から質問を受けると、『こんなレベルの低い質問には答えたくないよ』などと、相手が日本語を理解できないことを見越して、最初は私に質問の印象を話すんです。そして、どう答えたら問題にならないかを相談してくる。その間、記者は2~3分待たされるわけです。話がまとまると、『じゃあ、この部分だけ答えて』と、文字どおりワンセンテンスのみを通訳するように言うんです。こんなやり取りが何度かあれば、記者が不審に思うのも無理はないですよね(笑)」(同前)

 

 ちなみに、気になる給料はいくらぐらいなのか?

 

「私の場合はシーズン中のみ月3000ドルで、アパートの家賃や送迎の車のレンタカー代、遠征時のミールマネー代などは別でした。シーズンは6カ月なので年間の給料は18000ドル、200万円くらいでしたね。私が通訳を担当したときの伊良部さんは、最初はマイナー契約だったので、私の給料も安かったんだと思います(笑)。

 

 球団はその選手に対する予算という考え方で年俸を算出するので、そこには通訳の給料も含まれています。年俸が高ければ付随する予算も多くなるので、通訳の給料も自然と上がります。あと、選手が嫌だと言えば通訳は代わりますから、水原氏のように長年務めているということはそれ自体が実績であり、実績に見合って給料も上がっていくでしょうね」(同前)

 

 大谷の“女房役”を務める水原氏の気配りが、二刀流の快進撃を支えている。そして、その功績はしっかりと評価してもらえる世界のようだ。

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