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ポール・マッカトニーの五十肩を治した日本人ゴッドハンドがいた!「マグワイアもボンズもお得意様です」

スポーツ 投稿日:2021.07.18 20:00FLASH編集部

ポール・マッカトニーの五十肩を治した日本人ゴッドハンドがいた!「マグワイアもボンズもお得意様です」

マグワイアのサイン入りバッドを持つ西尾さん。院内にはメジャーリーガーのサイン入りバットが数多く飾られている

 

 1994年からMLBのセラピストとして、数々のチームでメジャーリーガーたちの施術をおこなってきた西尾嘉洋さん(60)。2021年3月に帰国して、愛知県名古屋市にスポーツマッサージや鍼灸治療をおこなう「七回裏治療院」を開業した。

 

 院内には、メジャーリガーのサイン入りバッドやフィギュアなどのグッズが所狭しと飾られていて、ちょっとした博物館になっている。27年間、メジャーリーガーと間近で接してきた西尾さんに話を聞いた。

 

 

――MLBで仕事をするようになったきっかけは?

 

「1988年から中日で仕事をしていたんですが、オフシーズンに1カ月半ぐらい、遊び半分勉強半分でロサンゼルスに行っていました。そうこうしている間にグリーンカード(アメリカ永住権)が当たり、それで中日を退団して、1994年の春にアメリカに渡ったんです。なんの仕事も決まってなくて、最初の2~3年はホテルのスパのマッサージをやっていました。

 

 メジャーリーグの仕事に携わりたいなと思っていたところ、1997年の春のキャンプにインターンとして参加することができました。そのとき、当時のスーパースターだったジャイアンツのバリー・ボンズ選手や、パドレスのトニー・グウィン選手などが、私のマッサージを気に入ってくれたんです。

 

 それで『お前はどこに住んでるんだ?』と聞かれ、『ロサンゼルスだ』と答えると『俺たちが南カルフォルニアに行ったら来てくれ』と言ってくれてね。

 

 その後、アルバイトのような感じで彼らの施術に行っていたんです。そのうち『俺も頼みたい』と、ほかの選手にも広まって、球団からフルタイムで来ないかとオファーをもらいました。松坂大輔さん、松井稼頭央さん、青木宣親さんも、何度か施術しましたね」

 

――いちばん嬉しかったことは?

 

「私と同じ年だった “パドレスの伝説” トニー・グウィン選手に気に入ってもらえたことですね。1997年の春に初めてキャンプに行ったとき、『来年のキャンプは俺が全部お金を出してやるから来てくれ』と言ってくれてね。

 

 結局、実現はしなかったんですが、そう言ってくれたことは今でも覚えています。“Mr.パドレス” ともいえる選手で、球場には銅像が立っています。残念ながらガンで亡くなってしまいましたが、彼に気に入られたことはすごい嬉しかったですね」

 

――ほかのメジャーリーガーで印象に残っている選手は?

 

「マーク・マグワイア選手の自宅には、よくマッサージに行きました。彼がアスレチックスにいたころ、彼と私の家が比較的近かったので、オフシーズンなんかも自宅に呼んでくれました。

 

 とにかくすっごく大きな家で、自宅の中にジムがあるんですが、そのジムがまたすごい広さなんです。ジムの中にマッサージルームがあって、そこでよくマッサージをやりました。

 

 高級住宅が多いエリアにあって、日本にはあまりない広さというか、ゴージャスというか。私は貧乏人でしたが、彼の自宅に行くと、リッチな気分になれました(笑)。性格もめちゃくちゃ気さくな人で、誰とでも話をするし、別け隔てなく接してくれましたね。

 

 あとはジェイソン・ジアンビがアスレチックスにいるときも、よくマッサージをしました。彼は薬物問題がありましたが、とてもジェントルマンでしたよ」

 

――野球選手以外にも、有名人をマッサージした思い出は?

 

「ビートルズのポール・マッカートニーをマッサージしました。きっかけは、ニューヨーク・メッツで働いていたときに、出入りしていたドクターがポールのサインを持っていたんですよ。

 

 私はファンだったので、『なんで持ってるんだ?』と聞いたら、『俺の事務所によく来る』と言うんです。それで『オフはロスにいるから、何かあったら連絡くれるように伝えてほしい』と頼んだんです。そしたら、本当にポールから電話がかかってきたんです(笑)。

 

 最初は、彼のレコーディングスタジオに行ってマッサージしました。気に入ってくれたようで、『明日は時間あるか?』と聞かれたので『大丈夫』と答えると、『ワイフ(ヘザー・ミルズ)もやってほしいと言っているから、明日も来てほしい』と。

 

 ポールは当時、五十肩で、ギターを弾くのがつらいということで、それから2年ぐらいマッサージしましたね。

 

 よく呼んでもらったのは、ビバリーヒルズの自宅。山みたいなところの中腹のすごくいい場所にあって、プールもありました。彼はいろんなところに家を持っているから、そんなに部屋数は多くなかったですが、いい家でしたよ。

 

 ポールはすごい親日家で、初めて会ったときも『押忍!』なんて言ってきて、すぐに打ち解けました(笑)。ヘザーのマッサージをしているとき、ポールは隣の部屋でギターを弾きながら歌ったりするんですよ。生歌ですからね(笑)。

 

 ポールがヘザーと離婚してからは私も行かなくなってしまったんですが、私は本来野球界の人間。ポール・マッカートニーとの出会いは大きなおまけみたいなもので、とても嬉しい出来事でした」

 

「今後はこれまでの経験を活かしながら、自分の施術をおこなっていきたい」と言う西尾さん。メジャーリーガーやポール・マッカートニーも気に入ったマッサージはもちろんのこと、MLBファンなら一見の価値アリだ。

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