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大谷翔平のライバルは「Jr.」ばかり…日本に少ない“二世選手”が生まれる条件とは
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2021.07.22 16:00 最終更新日:2021.07.22 16:00
MLBのオールスターは日本時間7月14日、ロッキーズの本拠地クアーズ・フィールドでおこなわれ、ア・リーグが5対2でナ・リーグに勝利。MVPには特大本塁打を放ったブラディミール・ゲレーロJr.(ブルージェイズ)が史上最年少で選ばれた。
その名のとおり、彼は二世選手。彼の父ブラディミール・ゲレーロもエンゼルス時代の2006年にオールスター戦で本塁打を放っており、史上3組めの “オールスター親子ホームラン” となった。
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この事実が物語るように、現在、二世選手がMLBを席巻している。ゲレーロJr.は、ア・リーグ本塁打争いで34本でトップの大谷翔平(27)に次ぐ2番手の31本(7月21日時点、以下同)。ナ・リーグでもフェルナンド・タティースJr.(パドレス)が28本でトップを走り、ロナルド・アクーニャJr.が24本と3位につけている。
このほかにも、今回のオールスターに出場したボー・ビシェット(ブルージェイズ)の父・ダンテは、ロッキーズ時代の1995年に40本塁打、128打点で二冠に輝いた名選手。
また、「メジャー最強の有望株」として6月23日にメジャーデビューしたワンダー・フランコ(レイズ)も、父親がホワイトソックス傘下のマイナーチームでプレーした選手だった。
「ここ数年の傾向ですが、自ら『Jr.』と名乗る選手が増えています。ゲレーロの場合は、父親が野球殿堂入りした名選手。タティースの父親もレギュラーで活躍した選手でしたから、『Jr.』を名乗るのは当然です。
ただ、アクーニャの場合は父親がマイナーの選手だったので、わざわざ『Jr.』をつける必要がない。実際、彼はしばらく『Jr.』なしでしたが、ここ数年『Jr.』を名前に入れるようになりました。
こうして『父親をリスペクトしている』という意思表示をする選手が増えているように思います。
二世選手は周囲からのプレッシャーも強いはず。それを乗り越えて生き残った選手たちが活躍しているのです」(MLB専門誌『スラッガー』宇根夏樹元編集長)
一方で、日本のプロ野球に目を移すと、二世選手が活躍しているという話は聞こえてこない。元プロ野球選手で野球解説者の広澤克実氏は、「選手の母親にも注目するべきだ」と語る。
「特にプロ野球の世界では、選手の父親にばかり注目されがちですが、母親も重要です。実際、大谷選手の父親は社会人野球の選手でしたが、母親も全国大会で活躍したバドミントン選手だったんです。最近ではスカウトたちも、高校生をスカウトする際には、その子のお母さんがなにか運動していたかを重要視していると聞きます。世界的なアスリートになるためには、両親ともにアスリートであるほうが有利なのでしょう」
実際、元広島の黒田博樹を発掘した広島カープの苑田聡彦スカウト統括部長も、過去に本誌の取材でこう明かしている。
「黒田を見たとき、ピッチングはもちろん、その立ち居振る舞いに魅せられたんです。投手らしい投手だと。もうひとつ気になったのはお母さんのこと。私はそれまでも選手の母親の運動歴を気にしてスカウトしてきました。
そして、黒田のお母さんは、1964年東京五輪で砲丸投げの代表候補になっていて、その後、体育教師になったと。それがわかったとき、小躍りしましたよ」
広澤氏が、今いちばん気になるのはダルビッシュの子供たちだ。
「ダルビッシュ本人はもちろんのこと、奥さんはレスリングの元世界チャンピオンですから。奥さんの家族は、ものすごい運動神経の持ち主の集まりじゃないですか。『ダルビッシュのお子さんは、将来どうなるんだろう』と、僕は非常に楽しみにしています」
次の“大谷二世”を期待するのはまだ早いだろうか……。