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大谷翔平 “野茂マニア” から26年、「日本人がまたMLBを救った」と騒然のワケ…現地辛口コメンテーターも脱帽した

スポーツ 投稿日:2021.09.29 06:00FLASH編集部

大谷翔平 “野茂マニア” から26年、「日本人がまたMLBを救った」と騒然のワケ…現地辛口コメンテーターも脱帽した

エンゼルス内で、大谷のいちばんの仲よしはイグレシアス(写真・アフロ)

 

 9月21日(現地時間)のアストロズ戦で、大谷翔平(27)は8回ノーアウト右中間へ45号ソロホームランを放った。

 

「日本人初の本塁打王もこれで再び獲得圏内に入ってきました。9勝(24日現在)を挙げている投手成績と併せて、今季のMVPはほぼ確実だといわれています。ベーブ・ルース以来103年ぶりとなる『二桁勝利、二桁本塁打』を達成できるかが、現在でのもうひとつの見どころになっています」(現地記者)

 

 

 数々の記録に挑戦中の大谷だが、彼の “トップ争い” は、プレーだけではない。

 

「米新聞メディア『スター・トリビューン』によれば、エンゼルスの試合のチケット売り上げは激増したといいます。オールスター戦でのグッズ総売り上げの28%を大谷の関連商品が占めるなど、物販面でのチームへの貢献度もトップクラスだそうです」(同前)

 

 シーズンも終盤戦に入ったことに加え、大谷の歴史的な活躍で、例年以上の盛り上がりを見せるMLB。だが、MLBがここ数年深刻な “成績不振” に陥っていたことは、あまり知られていない。

 

 観客動員数は2016年から4年連続で減少しており、昨年と今年のコロナ禍は例外としても、2019年の総観客動員数6850万人は、2015年と比較して500万人以上も減少している。メジャーリーグ評論家の福島良一氏が解説する。

 

「米国ではMLB、NBA(バスケットボール)、NFL(アメリカンフットボール)、NHL(アイスホッケー)を4大スポーツと呼んでいますが、野球はほかの3競技と比べて、特に若者離れが強く起きていました。おもな要因として考えられているのが、試合時間です。

 

 若者はノンストップで展開が早いスポーツを好む傾向がありますが、野球はイニングごとに休憩が入り、長時間になりがちです。コミッショナーもこれを問題視し、試合時間のスピードアップを目指しています。2017年に採用された申告敬遠も、そのための施策のひとつです」

 

 しかし、MLBがファン離れに悩んだことは、今回が初めてではない。1994年には、年俸調整を巡り球団と選手会が対立。シーズン途中の8月から翌1995年4月にかけてMLB史上最長となるストライキが発生した。これにより、大規模なファン離れが生じたのだ。

 

「このときの危機を救ったのが、1995年に近鉄からドジャースに入団した野茂英雄投手でした。米国のファンも見たことがない “トルネード投法” から剛速球とフォークを投げ込む姿にファンは感動し、徐々に再び球場に足を運ぶようになりました。シーズン終盤の球場は、“トルネード投法” 見たさのファンで満員となり、『野茂マニア』という言葉も生まれたほど。間違いなく、当時のMLBを救ったのは彼でした」(同前)

 

 あれから26年、またもMLBはファン離れに苦しんでいる。福島氏が続ける。

 

「この数年にわたる若者離れとコロナ禍による危機から、26年前の野茂に続いてMLBを救ったのが、大谷です。今季はコロナ禍での入場制限はあるものの、ホーム、アウェーに限らず、エンゼルスの試合には、若者、特に女性や子供のファンが、多く詰め掛けています。またもや日本人選手がMLBの救世主となったことは、とても誇らしいですね。

 

 大谷は100年に一人出るか出ないかの存在です。MVPは当確ということもあり、現地でももはや野茂を超える存在ととらえられています」

 

 大谷の偉業は、現地の辛口コメンテーターをもうならせている。

 

「米スポーツ専門局『ESPN』の番組司会を務めるスティーブン・A・スミス氏が、大谷のことを絶賛したのです。ふだん、どんな選手にも辛辣な意見が多い彼の発言は、MLBファンの間で話題になりました」(前出・現地記者)

 

 スミス氏は自身の番組で、数分にわたり、大谷の偉大さと、その大谷を人気獲得に活用しないMLBの努力不足を、次のように叫び続けた。

 

「(MLBは)もっとマーケティングに力を入れるんだ! コアなファン以外にも目を向けなければならない。せっかく “現代のベーブ・ルース” がプレーしているのだから!」

 

“現代のベーブ・ルース” の快進撃は、ラストイニングに突入する!

 

(週刊FLASH 2021年10月12日号)

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