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長嶋茂雄「巨人軍は永久に不滅です」実は読み間違いだった

スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2021.10.12 06:00 最終更新日:2021.10.12 06:00

長嶋茂雄「巨人軍は永久に不滅です」実は読み間違いだった

本誌が入手した草稿には「永遠に不滅」と(左中央)

 

 1974年10月12日、巨人の長嶋茂雄が引退を発表した。17年間にわたり打席に立ち続け、打撃で通算444本塁打、首位打者6回、最多安打10回を獲得。守備でも華やかなフィンプレーでファンを魅了した。

 

 チームメイト・王貞治とのコンビは「ON砲」として恐れられ、通算106回のアベックホームランを達成。その偉大な功績と影響力の高さから「ミスタープロ野球」とも呼ばれた。

 

 

 現役引退の理由は肉体的限界だが、10月14日におこなわれた引退セレモニーでのセリフは、球史に残る名言となった。

 

「私は今日ここに引退いたしますが、わが巨人軍は永久に不滅です」

 

 長嶋が大観衆の前でおこなったスピーチについて、その草案に携わった長嶋の知人男性が、かつて本誌の取材にこう語っている。

 

「9月の初めごろに『引退のあいさつを考えてほしい』と頼まれ、それから2人でどういうのがいいか5回ほど打ち合わせをした。最初はデビューの4三振や天覧試合の思い出も入れようかと相談した。

 

 あるときシゲが20分ほど目を閉じて考え込み、『今から言うことを、そのスケッチブックに書いてくれませんか』と言ってきた。そして『昭和33年、栄光の巨人軍に……』と語り始め、『巨人軍は永遠に不滅です』と言うと、『ふ~っ』と大きく息を吐いたんだ。

 

 シゲは『オレがやめるのは次代の野球少年に夢を託すことだから、最後の言葉を子供たちが理解できないと意味がない』と。それである小学校野球チームの子供たちを16人集めて、シゲがこの原稿を読みはじめた。みんな黙ったまま一言一言に聞き入っていた」

 

 本誌は2000年7月4日号で、長嶋のスピーチの草稿を入手している。プロ野球に詳しいスポーツ記者がこう語る。

 

「長嶋さんは大観衆を前に『わが巨人軍は永久に不滅です』と語り、このセリフはおよそ50年たったいまもファンに語り継がれています。しかし、これは長嶋さんの言い間違いでした。原稿を読むと、『わが巨人軍は『永遠』に不滅です』と書かれています。やはり、引退セレモニーは、試合とは違う緊張感があったのかもしれません。

 

 サザンオールスターズが2013年にリリースした『栄光の男』という曲は、長嶋さんをイメージして作られました。歌詞には『永遠に不滅』とあります。桑田さんは『永遠』の方が歌いやすいという理由で変えたそうです。実は『永遠』が正解だと知っていたのかもしれませんね」

 

 長嶋は、2期15年にわたり巨人の監督としてチームを指揮し、現在も終身名誉監督としてチームを見守り続けている。たとえ原稿を読み間違えても、長嶋は永遠に不滅なのだ。

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