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【秘蔵写真あり】スキージャンプ小林陵侑、第1号金メダルを生んだレジェンド・葛西紀明との絆

スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2022.02.07 18:20 最終更新日:2022.02.07 18:21

【秘蔵写真あり】スキージャンプ小林陵侑、第1号金メダルを生んだレジェンド・葛西紀明との絆

(写真・共同通信)

 

 北京オリンピック、日本に第1号の金メダルをもたらしたのはこの男だった。

 

 男子個人ノーマルヒルで、小林陵侑(25・土屋ホーム)が104.5メートル、99.5メートルの合計275.0点で金メダルを獲得。ジャンプ男子の個人種目での金メダルは1998年長野五輪ラージヒルの船木和喜以来。24年ぶりの快挙だ。

 

 年末年始の4試合で争う「ジャンプ週間」でも、日本選手初の2度の総合優勝を果たした小林。当時、所属する土屋ホームの担当者は「ジャンプの踏み切りのコツを教えた葛西紀明が『普通は数年がかりで習得できるかどうかなのに、陵侑は3回くらい飛んだらできてしまった』と言っていた」と、本誌の取材に語っている。

 

 

 小林が高校卒業後、土屋ホームへの入社を決めたのは、五輪に8大会連続で出場し、2014年のソチ五輪で銀メダルを獲得した “レジェンド” 葛西の存在があったからだ。

 

 前出の同社スキー部担当者はこうも語っていた。

 

「葛西は、高校時代の陵侑のジャンプを見て『世界の強い選手と飛び方が似ている』と可能性を感じていました。陵侑も大学には進まず、葛西の所属する土屋ホームに入りたいと希望していたようです」

 

 入社翌年の2016年、小林はW杯のデビュー戦でいきなり7位に入賞。だが、翌2016-2017年シーズンはW杯全試合にフル出場するが、一度も30位以内に入れなかった。

 

「個人ランキングは、30位以内に付与されるポイントの合計で決まります。陵侑は飄々とした性格で、葛西の目にはその結果にあまり悔しがっていないと映ったようです。

 

 葛西は、小林をあえて『ノーポイント』とイジることで、奮起を促していました。そのうち、陵侑の練習に取り組む姿勢が変わってきました」(同前)

 

 体の強さも折紙付き。小林を高校生のころに診ていた福田鍼灸治療院の福田久朗さんは、「ほかのアスリートと比べても、筋肉のつき方、骨格の構造やバランスのよさなど、体のポテンシャルが全然違うんです」と、語っている。

 

 金メダル獲得の瞬間は、葛西もテレビ中継のコメンテーターとして見守っていた。愛弟子の快挙を前に葛西は、「もうね、たまってる涙、全部出ましたね」と報道陣に声を弾ませた。

 

 その言葉に答えるように小林も、「選手として(葛西と)一緒にはできなかったですけど、この時間を一緒に共有できて、すごくうれしいです」と答えた。

 

 日本勢第1号の金メダルを生んだのは、北京の雪を溶かしそうなアツい “師弟愛” だった。

 

( 週刊FLASH 2022年2月22日号 )

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