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高梨沙羅「検査方法いつもと違った」…検査官たちは「真剣に取り組め」「自分は無関係」と主張する混迷ぶり
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2022.02.11 18:24 最終更新日:2022.02.11 18:35
2月7日、北京五輪のスキージャンプ混合団体で、スーツの規定違反により失格となった高梨沙羅。全日本スキー連盟の聞き取りに対し、「検査方法がいつもと違った」と明かしていることがわかった。
この日、高梨は、1回目のジャンプを終えた後の抜き打ち検査で、スーツの太腿周りが規定より2cm大きいとして失格に。しかし、高梨が失格となったスーツは、2月5日の女子ノーマルヒルで着用していたものと同じだ。
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加えて、この日、スーツ規定違反となったのは高梨だけでなく、参加10カ国のうち5カ国の女子選手たちも失格になっている。そのため、検査方法を疑問視する声が各国から殺到したのだ。
「スキー日本代表の斉藤智治監督によれば、通常、飛躍後はスパッツをはいたまま太腿を測定されるのですが、高梨は『スパッツを脱がされた』と回答しています。
腕も通常は体から約30cm離した位置まで広げますが、『万歳を求められた』といいます。高梨は『検査方法が違う』とやり直しを求めましたが、受け入れられなかったそうです。
斉藤監督は、『今後の検査をフェアにしていかないと。こんなことで1人の選手をつぶしてはいけない』と、国際スキー連盟に検査方法のあり方について意見書を送る方針です」(スポーツ誌ライター)
一方、検査官たちの証言は混迷を深めている。高梨ら女子選手たちのマテリアルコントロール(道具のチェック)を担当したポーランド人女性のアガ・ボンチフスカ氏は「新しい手順はおこなっていない」と説明。
母国のメディアにも、「私はもっと各チームや選手がちゃんと準備して、真剣に取り組むものだと思っていた。まさか、あんな事態がオリンピックで起きるとは!」と批判に対する不満を語っている。
注目されているのは、ボンチフスカ氏だけではない。一部報道では、男子のマテリアルコントロールを担当したフィンランド人男性のミカ・ユッカラ氏が、“黒幕” と指摘されている。
報道によれば、5日に開催されたノーマルヒルの後、ユッカラ氏は「女子選手のスーツは緩すぎる。次はきちんと計測しろ」とボンチフスカ氏に指摘したという。
7日の検査でも、本来いるはずのないユッカラ氏が検査に介入していたと報じられた。しかし、ユッカラ氏は、「失格判定はすべてアガ・ボンチフスカがおこなわれた。私は何の関係もない」と、一切の関与を否定している。
さらに、そのユッカラ氏に対して、前任者が「続投することに疑問を持っている」と、責任追及の構えを見せているとの報道もあり、混迷は続いている。
競技を終えた高梨は、インスタグラムで《私の失格のせいで皆んなの人生を変えてしまったことは変わりようのない事実です》と謝罪し、今後の進退も考えていることを明かした。
失意の底にいる高梨に対し、納得いく説明がおこなわれる日は来るのだろうか。
( SmartFLASH )