大のヤクルトファン・尾崎世界観がエース・奥川恭伸投手に聞く「球数制限は、自分に合ってる？」

 

ーー食べ物が好きだとも聞きました。一番好きな食べ物はなんですか？

 

奥　好きな食べ物はいっぱいあります。焼肉も好きですし、お寿司も好きですし、その日の気分で変えます。

 

ーー試合前に必ず食べるものはありますか？

 

奥　試合前の勝負飯に麺類をひと玉食べます。うどんがベストです。

 

尾　意外でした。

 

奥　試合前から炭水化物を増やしてエネルギーを蓄えるんですけど、試合直前はうどんをひと玉食べて、ちょっとおなかが空いた状態で出るのがよかったので。

 

尾　それは昨年くらいから定着してきたことですか？

 

奥　そうですね。

 

尾　一昨年は試合前にご飯をあまり食べられなかったとか、そういったことはあったんですか？

 

奥　いえ一昨年はもっと食べていました。そうするとピッチングの内容がイマイチだったので、ちょっとお腹が減っているくらいがちょうどいいんだと思います。

 

尾　試合が終わってからもたくさん食べますか？

 

奥　終わってからはたくさん食べます。栄養をたくさんとってリカバリーをしないといけないので。そこは頑張って食べる時もあります。

 

尾　やっぱり体のケアも大変なんですね。

 

奥　トレーニングも投げることもすごく大事なんですけど、ケアという部分も大事だと感じます。

 

尾　高校時代には感じなかったことですか？

 

奥　感じなかったですね。ケアしなくても動けていたので意識しなかったです。でもプロに入ってからはケアの大切さに気がついたので、休みの日はだいたいケアに時間をかけています。

 

尾　近くに体のケアができる場所があるんですか？

 

奥　はい。いつも見てくれている方がいるので、休みの日にはそこに足を運んでみてもらっています。

 

尾　車で行くんですか？

 

奥　車で行きます。

 

ーー休みの日にはどんな息抜きをするのでしょうか？

 

奥　わりと一人の時間が好きなので、部屋で一人でゆっくりしています。あとはドライブに行ったり。車で体のケアに行って、帰りにご飯を食べるみたいな。

 

尾　1人でご飯を食べるんですか？

 

奥　そうですね。外食も1人で行きます。コロナの関係でなかなか人とは行けないですし、元々1人が好きなので。

 

ーープロだと球数制限があって、球数という点では高校時代のほうが多かったと思いますが、同じ100球でも、疲労度に違いはありますか？

 

奥　高校生だと7割くらいの力で抑えられていたバッターが、プロではやっぱり抑えられなくて。なのでどうしても力が入ってしまい、そのぶん、体への負担が大きいです。加減をしながらできた高校時代とはやっぱり違います。あと高校時代は大会に向けて練習するのに対して、プロでは毎日練習があるので、1年間通しての体調の維持が難しいです。

 

ーー甲子園で投げていたときの疲労はないのでしょうか？

 

奥　はい、甲子園の疲労はもう残っていないです。

 

ーー打たれたあとも最少失点で抑えるイメージがありますが、どのようにメンタルを保っているのですか？

 

奥　次の1点はいつも意識しながらやっています。1点取られても次の1点を防ぐ。だいたい僕の考えている最低ラインは6回3失点なので、3点までは自分の中で許容しています。

 

尾　それはプロに入ってから変わったんですか？

 

奥　そうですね。今自分にできることはそういう投球かなと思います。9回0失点を目標にしてしまうと、どうしても高いハードルになってしまうので、今はそういう投球を心がけています。

 

おざきせかいかん
37歳　1984年11月9日生まれ　東京都出身　2001年に結成したロックバンド「クリープハイプ」のボーカル＆ギターとして2012年にメジャーデビュー。2021年発売の小説『母影』は第164回芥川賞候補作に。「クリープハイプ尾崎世界観の野球100％」（ニッポン放送）がPodcastで配信中。4月16日から全国ツアーを開催。そのほか最新情報は、バンド公式Twitter（@creephyp）にて

 

おくがわやすのぶ
20歳　2001年4月16日生まれ　石川県出身　星稜高校のエースとして2019年夏の甲子園準優勝、同年のドラフト1位でヤクルトに入団。日本シリーズでは、第1戦に先発し、7回1失点と好投した

 

( 週刊FLASH 2022年3月29日・4月5日合併号 )