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18歳ルーキー今村聖奈が魅せる「女は度胸」…武豊のダービー制覇の裏で注目集まる
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2022.05.30 17:40 最終更新日:2022.05.30 17:40
5月29日におこなわれた日本ダービーは、3番人気のドウデュースが優勝、2019年生まれのサラブレッド7522頭の頂点に立った。53歳の武豊騎手は史上最多6度めのダービー制覇を果たすとともに、初の50代ダービージョッキーとなった。
その前の週におこなわれたオークスは43歳のC・ルメール騎手が優勝。45歳の福永祐一騎手がフェブラリーS、皐月賞とGIを2勝。54歳の横山典弘騎手が重賞をすでに3勝と、2022年はオジさんジョッキーの奮闘ぶりが目立っている。
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そんななか、躍進著しいのが、18歳の今村聖奈騎手だ。
「2022年3月にデビューしたばかりのルーキーで、藤田菜七子らに続き、現役4人めとなる女性騎手です。3月に4勝をあげて順調なスタートを切ったものの、4月は勝利に恵まれませんでした。
ところが、5月から新潟で騎乗を始めてからは、ハイペースで勝ち星を量産しました。ダービー当日の29日は新潟開催の最終日でしたが、8回の騎乗で2勝、2着2回の大活躍。なかでも第3レースは、10番人気の馬に騎乗して2着。穴党を大喜びさせました」(競馬ライター)
5月7日から29日までの新潟開催で、リーディングジョッキーとなった西村淳也と同じ8勝。2着が西村の8回に対し、今村が6回で、リーディングの座は惜しくも譲ったものの、デビュー3カ月の新人騎手としては、驚きの成績と言っていい。
女性騎手の先輩である藤田菜七子は、2019年の第3回新潟で9勝をあげて開催リーディングを獲得しているが、これはデビュー4年めのことだった。
今村は、5月29日終了時点で12勝をあげ、すでにJRA女性騎手による1年めの勝利数の記録を更新しているが、このペースでいけば、藤田が2019年にあげた43勝という、女性騎手の年間勝利数記録をも超える勢いだ。
この勢い、本物なのか?
「本物でしょうね。5月新潟はいわゆる “裏開催” で、トップジョッキーの参戦がないこと、新人女性騎手による負担重量の特典があること、これらを差し引いても、この成績、騎乗ぶりはすごいと思います。
今村は、もともと競馬学校時代から評価がすごく高かったんです。教官も『先輩の3人(藤田菜七子、永島まなみ、古川奈穂)は騎手としてやっていけるか心配な部分があったが、今村は大丈夫』と太鼓判を押していたほどです。
ほかの女性騎手との違いは『度胸』と『追える』こと。
藤田のレースを見ていると、『やっぱり馬込みが怖いのかな』と思うような消極的な騎乗が今でもたびたびあるんですが、今村は馬込みにもひるまないので、いい位置取りができる。
決定的に違うのは、『追える』かどうか。直線でムチを振って馬を追うのは、やはり女性騎手では物足りない。それが、今村は男性騎手にも負けないほどしっかり馬を追ってきます。12勝のうち逃げ切りは1勝だけというのも、その証しと言えるでしょう」
この勢いには、オジさんたちもタジタジか。
( SmartFLASH )