では、修正点はあるのか。
「う~ん、課題があるとしたら(投げ込むときに)右手と頭の位置が離れてしまうこと。それは体が柔らかいがゆえなのですが、離れすぎると肘や肩に負担がかかるんです。もう少し右手が頭の近いところを通って投げられれば理想的ですが……。まあ、高校のときはもっと離れていたし、プロに入って改善されてきているので、よくなるのは時間の問題ですね。
彼は大谷くんとよく比較されますが、3年めに限れば佐々木くんのほうが上だと思います。日ハム時代の大谷くんのフォームは、1回沈み込んでから体重移動する点が課題でした。今のフォームは違いますよ。ただ、佐々木くんの場合は、もうできている感じですね」
そうなると、さらなる進化への期待が高まる。“夢の170km”は実現するのか。
「すでに170kmを投げる能力はあります。ただ、その球速が必要かどうか。やはり170kmの球を投げるには、体に負荷がかかるし、バランスを崩す可能性もある。年間を通して投げることを考えれば、今の160kmで十分かもしれない。あとは本人の考え方次第です」
投球回数の限られる球宴では、チャップマンを超える人類最速の171km超を拝めるかもしれない。そんな無限の可能性を秘めた“令和の怪物”をメジャーで見たい人は多いはず。
「メジャーへ行ったほうがいいですね(笑)。今でも通用すると思います。ただ、メジャーは移動を含めた過酷な環境で、中4日のローテーションを守らなければいけないので、いろいろな面でタフでなければいけません。そう考えると、24~25歳くらいで行くのがベストでしょう」
日本は大谷だけではないと証明してほしいが、“朗希ロス”も心配だ。
※本文中の成績は7月22日時点