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15歳でJ1デビュー「久保建英」が受けた「次男的子育て」

スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2017.06.03 11:00 最終更新日:2017.06.03 11:00

15歳でJ1デビュー「久保建英」が受けた「次男的子育て」

 

 イチロー、松井秀喜に中田英寿、本田圭佑。活躍の場を海外に求めた彼らには、共通点がある。それは、みんな次男ということだ。

 

「大成するのは次男」
 スポーツ界での定説だ。兄がいることで、幼少期から精神的にも肉体的にも鍛えられる。さらにその背中を追い、一緒に練習するなかで、知らず知らずのうちにレベルの高い競争に身を投じているケースが多いからだという。

 

 となれば、Jリーグ・ルヴァン杯の札幌戦に15歳でデビューしたMF・久保建英(たけふさ)の兄弟構成も気になるところ。彼は、10歳でバルセロナの下部組織に入団している逸材なのだ。ところが彼は長男。ただし久保家は、ユニークな教育方針を取り入れていた。

 

「母親は、『長男だけど次男のように育てたい』との考え。長男は周りを見てすぐに行動できない。性格も優しく、自分の気持ちをストレートに表現できないことが多いからだと。一方、次男は兄と競い合っても敵わないからこそ、自分から工夫するようになる。そうした環境に置きたいがために、2歳からいろいろなイベントに参加させた。結果、年上の子や大人にも、自分の考えを伝えられるようになった」(サッカー担当記者)

 

 久保のすごさを、元「サッカーダイジェスト」の編集長である六川亨氏が語る。

 

「技術の高さ、視野の広さはもちろんですが、とくに目を引くのが、あの年齢で大人にまじってもはっきりと指示、要求ができるところ。また、自分のプレーを己れの言葉で理路整然と語れる。とても15歳とは思えません」

 

 札幌戦で、そのすごみを発揮したのは後半39分。ドリブルで仕掛け、ファウルを誘った後のことだった。直接ゴールが狙える位置でFKが与えられると、自分でボールをセット。先輩をさておき、まるで自分が蹴ることが当たり前のような行動だった。シュートはわずかに外れたが、2万人近い観衆がいちばん沸いた瞬間でもあった。

 

 いくら天才とはいえ、まだ15歳。J1の試合となると、フィジカル的に苦しい場面も出てくる。そのため、力を入れているのが体幹トレーニングだが、トップ選手ですら顔を歪めるほどのきついメニューを、表情を変えることなく淡々とこなすという。

 

 あるときFC東京関係者が、「キツくないの?」と尋ねたことがあった。すると久保は、「プレー中もトレーニング中も、感情をコントロールすることが大事ですから」と答えたという。

 

 現日本代表で浦和レッズの槙野智章は、久保の飛び級の活躍について聞かれると、「僕が15歳のときは、校長室に呼び出されて始末書ばかり書いていた。あちらは社長室で契約書。えらい違い」と苦笑い。

 

 史上2番めの若さで、J1デビューを果たした久保。和製メッシの「次男坊」が、世界を相手に大暴れする。

 

(週刊FLASH 2017年5月23日号)

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