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コスタリカ戦真っ最中の渋谷・センター街「バカ騒ぎ」と思いきやスポーツバーで「きちんと観戦」若者たちの新潮流
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2022.11.28 19:30 最終更新日:2022.11.28 19:30
11月27日、「FIFAワールドカップ カタール2022」のグループリーグ第2戦で、日本代表はコスタリカと対戦した。
11月23日のドイツ戦に2対1で逆転勝利したことから、日本代表にはグループリーグ突破に強い期待が抱かれていた。
試合開始前の午後6時30分ごろ、東京・渋谷のスクランブル交差点には突如、警察車両が現われた。
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「ピーピピーッ!」と激しい笛の音ともに“DJポリス”が通行人に呼びかける。
「横断中の歩行者の皆さん、警察官が持っている黄色いテープの内側をお進みください。警察官の誘導に従い、安全に進んでください!」
本誌記者が渋谷に訪れた午後6時ごろには、すでにJR渋谷駅からセンター街周辺は、あふれんばかりの人だかりで、身動きも取れないほどだった。
「前回のドイツ戦が予想以上に人出が多かったので、今回は事前にDJポリスの車両を配備しました。状況によっては出動する予定です」
警察官に聞くと、そう話していた。
午後8時前、互いに無得点のまま、試合の前半が終わると、100名以上はいるであろう警察官が、黄色のテープを持ち、信号が変わるたびに、スクランブル交差点内に立つ。ハロウィンなどでもお馴染みの“混乱防止フォーメーション”を敷いていた。
試合終了後には、駅前に集まった日本代表選手を真似た“モノマネJAPAN”集団が。浅野拓磨の真似と思われる男性が、
「皆さんの熱い想いをね、カタールまで届けましょう!」
と叫ぶと、駅前は大きな歓声と拍手に包まれるのだった。
目立ったのはこれくらいで、残念ながら日本代表がコスタリカに0対1で敗北したためか、センター街では大きな混乱もなく、「ふだんの日曜日より人出が少ないかも」(通行人)との声が聞かれるほどだった。警察の心配が杞憂に終わったのは、幸いだったのかも……。
2010年の南アフリカW杯では、日本代表がデンマークに勝利し、決勝トーナメント進出を決めた際に、3000人を超える若者が集まり、スクランブル交差点などでハイタッチをしていた。
顔を“日の丸色”に塗り、ひときわ目立つ男性(44)はこう話す。
「渋谷に来た理由は、勝利してスクランブル交差点でハイタッチしながらどんちゃん騒ぎできるといいなと思って(笑)。でも、日本が負けちゃったらスクランブル交差点に行けないですよ。
真面目な話をすると、次に注目しているのは伊東純也選手ですね。アジア最終予選からずっと活躍しているので、“イナズマ純也”に期待です。決勝トーナメントに行けたら、僕はまた渋谷に戻ってきます(笑)」
この日の渋谷駅前には、スマホを片手に食い入るように「ABEMA」のサッカー中継を観戦する、20~30代と見られる若者たちもいた。そして試合終了後になって、日本代表ユニホームを着た多くの若者たちが続々と街中に現われた。若者のほとんどは「スポーツバー」で観戦していたようだ。
頬に「涙のマーク」のペイントをした会社員の男性(22)は残念そうに話す。
「もうね、負けて残念だから頬に涙のマークを書きました。集まりやすいのもありますけど、渋谷に来たのは、スポーツバーがたくさんあるので、知らない人とも一緒に盛り上がれるからです。
次のスペイン戦では1、2試合めはいいプレーを見せられなかった鎌田大地選手に、挽回の意味も込めて期待していますよ!」
仕事仲間5人で渋谷に来たという、会社員の女性(25)は楽しそうな様子だ。
「私はサッカーの選手も、ルールも分からないんですが(笑)。ユニフォームを着て、みんなと一緒に応援するのが楽しかったです。
渋谷の『HUB』(スポーツ観戦できる英国パブ風の飲食店)で、その場にいる人と一喜一憂しながら観戦していました」
コンビニの前には、敗戦の影響か、テンション低めな学生たちが立ち尽くしていた。そのうちのひとりに話を聞くと……。
「『HUB』で観戦しました。試合中の店内は、すごく盛り上がっていましたよ。お客さんが一体となって応援しました。
でも、さすがに、試合終了間際から雰囲気は……こんな感じ(笑)。このユニフォーム、1万5千円だったからな……どうかもっと着る機会を増やしてほしいと願っています。
そのためには、三笘選手をスタメンで起用するしかないですよ」
“バカ騒ぎ”のイメージばかり先行していた渋谷だが、日本のワールドカップ初出場から24年を経て“きちんと試合を見たい”という若者が増えてきたのかもしれない。
( SmartFLASH )