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WBC、14年ぶり世界一へーー元日本代表4人が語る勝利のカギ「ドミニカを黙らせるのは大谷翔平&ダルビッシュの黄金タッグ」

スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2023.01.25 06:00 最終更新日:2023.01.25 06:00

WBC、14年ぶり世界一へーー元日本代表4人が語る勝利のカギ「ドミニカを黙らせるのは大谷翔平&ダルビッシュの黄金タッグ」

若手の指導役でも期待されるダルビッシュ、並々ならぬ闘志を見せる大谷翔平(写真・共同通信)

 

 第5回WBCの開幕が、3月8日に迫っている。侍ジャパンの陣容も固まりつつあるが、2大会連続で優勝を逃している日本代表に、海外から駆けつける“5人の侍”が注目を集めている。現役メジャーリーガーが、5人も参加を表明しているのだ。特に、大谷翔平ダルビッシュ有の“黄金タッグ”に期待を寄せる声が大きい。

 

「日本代表にメジャーリーガーが複数参加すると、好成績を残せることは、過去の大会が証明しています。日本は第1回から連覇しましたが、それぞれメジャーリーガーが2人、5人と参加。逆に過去2大会は0人、1人の参加に留まり、ともにベスト4止まりでした。決勝ラウンドが米国で開催されることもあり、野球の本場でプレーする彼らから、大きなアドバンテージを得ることは間違いありません」(スポーツ記者)

 

 

 メジャーリーガーが5人加入することは、どれほど「侍ジャパン」に影響を与えるのかーー。第1回から連続出場し、先発、中継ぎと大車輪の活躍を見せた渡辺俊介氏(46)が語る。

 

「僕は日本代表としてシドニー五輪にも参加していますが、WBCは野球一本なので注目度が違う。特に米国戦は、まわりを見ればスーパースターばかり。プロ生活でも味わったことのない独特の雰囲気で、米国ラウンドは皆、浮き足立っていました。その空気が和らいだのは試合前。米国メンバーが王監督のところに来て、サインをねだり『一緒に写真を撮ってほしい』と言ってきた。それを見て、少し落ち着いたんです」

 

 さらに、イチローの言葉に選手は奮起したという。

 

「僕らが緊張していることがわかったのでしょう。試合前に全員を集めて『あいつらは大したことない。勝つのは俺たちだ!』と鼓舞してくれたんです。鳥肌が立ちましたよ。その瞬間、米国は憧れではなく、倒す相手だと、スイッチが入りました」

 

 第1回に続き、第2回は中継ぎとして活躍した馬原孝浩氏(41)も、メジャーリーガーの重要性を説く。

 

「WBCで大変なのは、環境に馴染むこと。ボールは日本で使うものに比べると滑るし、気候も違う。そんなとき、当時レンジャース所属だった大塚晶文さんが、ボールの対処法を教えてくれたのは大きかったですね。第2回大会ではイチローさん、松坂大輔さんら5人に増えましたから、もう安心感すらありました。彼らはスター中のスター。

 

 プロ野球選手は皆、個人事業主気質ですが、ひと際キャラが立った彼らは、いってみれば『社長の集まり』。誰かがリーダーを引き受けるのではなく、彼らが自然と中心になってチームがひとつになったときは『俺たちは強い!』という気持ちになりましたね」

 

 侍ジャパンは本大会に向け、2月17日から宮崎で合宿を張る。「ここにメジャーリーガーが参加できるかどうかが大きなカギを握っている」と語るのが、第2回から連続で投手コーチを務めた与田剛氏(57)だ。

 

「メジャー組には17日から参加してほしいですね。やはり米国から戻ってすぐ試合をすれば、時差など体調面での心配事も出てきます。それに合宿で一緒に生活を送れば、時間を共有できてコミュニケーションも取れる。私のときは、イチローが練習に取り組む姿勢を肌で感じられました。彼は、誰よりも早くグラウンドに来て練習に備える。天才なのに、あんなに練習する選手は見たことがありません。まさに“背中で見せる選手”でした」

 

 そのイチローが、第2回大会の前半戦では不調に陥った。

 

「世間から『活躍して当たり前』とのプレッシャーがあったのかもしれません。でも、彼がいちばん努力していたことは誰もが知っていた。だからこそ『イチローさんに対するプレッシャーをみんなでカバーしよう。イチローさんに恥をかかせてはいけない』と結束しました」(同前)

 

 逆に、第3回はメジャーリーガーが不在の大会に。

 

「周囲からは『いないから勝てない』といわれないように、チームが結束したように感じます。ベテランの稲葉篤紀がいたし、阿部慎之助が新たなリーダーとして、チームをまとめていました」(同前)

 

 ただ、激戦を勝ち抜くにはなにかが足りなかったのかもしれない……。第4回大会に出場した平田良介氏(34)は、初めて目にした米国選手の能力の高さに驚かされたという。

 

「みんながどう思っていたかはわかりませんが、打者は一人ひとりの打球のスピードがとにかく速い。日本人とはまるで違ったので、驚きましたね」

 

 そうしたとき、第4回に参加した唯一のメジャーリーガー、青木宣親(41)一人だけでは、どうすることもできなかったのかーー。

( 週刊FLASH 2023年2月7日号 )

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