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ファンがしらける「2026年W杯」アジア出場枠大幅増で“名将”が続々参入も「予選突破は楽」で大会の質を下げかねず

スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2023.04.04 06:00 最終更新日:2023.04.04 06:00

ファンがしらける「2026年W杯」アジア出場枠大幅増で“名将”が続々参入も「予選突破は楽」で大会の質を下げかねず

写真・JMPA

 

 3月14日、国際サッカー連盟(FIFA)は理事会を開催し、2026年に米国、カナダ、メキシコの3カ国で開催される第23回W杯の開催方式が決定した、と発表した。出場国数が「32」から「48」に拡大されることになった。これにともない、アジア枠がこれまでの「4.5」から「8.5」へと、大幅に増えることとなる。

 

「FIFAは、枠の拡大で『サッカーを世界中に発展させたい』とうたっていますが、商業主義が見え隠れします。参加する国や地域が増えれば、放映権料をはじめとする収益が増えます。なかでもいちばん期待しているのがアジアなんです。経済規模の大きい中国やインド、中東のリッチな産油国が参加すれば、がっぽり儲かりますからね。それがアジアの出場枠の大幅増に反映されています。

 

 とくに中国は、FIFAにとっても巨大マーケットなんですが、強化が一向に進まず、2002年日韓共催大会から、一度も予選を勝ち抜くことができていません。なんとかして中国に出場してもらいたいのが本音なんです」(サッカーライター)

 

 

 アジア枠の増大とともに、起きていることがある。

 

「世界に名の知れた監督たちが、アジア、中東の代表監督の座を狙っています。監督に就任すれば契約金、年俸がもらえるほか、W杯に出場すれば特別ボーナスも出る。それが初出場なら、さらに金額が上がります。アジアの枠が増えたことで、初出場のチャンスも広がるわけです。2023年2月16日、ベトナムの代表監督に元日本代表監督だったフィリップ・トルシエ氏が就任したことが、最たる例でしょう。

 

 枠が増えたということは、日本や韓国にとっても、本戦に出場しやすくなったことになります。これまでのようなヒリヒリするような予選ではなくなるでしょう。言いかえれば、誰が監督をやっても、出場はそれほど難しくないということです。2023年2月27日、ユルゲン・クリンスマン氏が韓国代表監督に就任することを発表しました。ドイツ代表監督まで務めたまさに“名将”ですが、彼にとって、韓国を本戦まで連れて行くことは『それほど難しい仕事ではない』というのが本音でしょう。今後、タイなどの東南アジア勢や、ウズベキスタン、中東勢などのなかで、本大会出場まであと一歩に迫った国々の監督には、さらに大物が就任するでしょう」(前出・サッカーライター)

 

 しかし、アジア枠の増大に、問題がないわけではない。W杯に出場したアジア勢は、カタールW杯までで13カ国を数えている。だが、そのほとんどは東アジアと中東で占められている。とくに出場国数が「32」に増えた1998年のフランス大会以降、アジア予選を突破した国のなかで決勝トーナメントまで進出したのは、日本の3度、韓国の2度にとどまっている。

 

「それほど、世界の壁は厚いということです。最大でアジアから9カ国が出るとなると、大会自体の質を下げる結果にもなりかねません。欧州サッカーに詳しいコアなファンにとっては、しらける大会でしょう。『世界最強の国を決める、究極の大会』というブランドが傷ついてしまいますから」(前出・サッカーライター)

 

 森保ジャパンが出場できて当然、というレベルだとすれば、たしかに予選に熱狂は期待できないかも……。

( SmartFLASH )

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