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全仏OP、加藤未唯がボールガールに球をぶつけ失格に 執拗な相手選手の抗議に集まる批判、主審の判断にも疑問が
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2023.06.05 20:40 最終更新日:2023.06.05 20:40
「これはひどい裁定だ」
かつて、テニスの国内ランキングを保持したことがある男性は、驚きの表情を隠さなかった。
テニスの4大大会「全仏オープン」の女子ダブルス3回戦(現地時間6月4日)で、第16シードの加藤未唯(みゆ・ザイマックス)とアルディラ・スーチャディ(インドネシア)組が失格処分を受けたことに、国内外のテニス界では大きな波紋が広がっている。
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ことの発端は、試合途中に加藤が相手コートへ向けて打ち返した球が、ボールガールを直撃するアクシデントだった。
「第2セットを3-1とリードして迎えた場面でした。ネット際にいた加藤は、相手コートの端に立つボールガールにボールを返すため、バックハンドで緩やかに打ちましたが、それが不運にもボールガールの後頭部に当たってしまいました。泣き出した少女に加藤はすぐ謝り、のちにSNSでも『ボールガールやペアを組むスーチャディ選手、それにチームと応援してくださる皆さんにおわび申し上げます』と謝罪しています。
故意ではなかったので、主審も警告を出すにとどめたのですが、対戦相手のマリエ・ボスコバ選手(チェコ)とサラ・ソリベストルモ選手(スペイン)が強硬に失格を主張。その結果、裁定が警告から失格処分に変わり、賞金とポイントが没収され、騒動になりました」(スポーツ担当記者)
CNNは、テニスジャーナリスト、ベン・ローテンバーグ氏が「残酷な判定だ、ボールを怒りにまかせて打ったりしたわけではない。ただ、相手チームがサーブする番だったので、試合の流れを維持するためにボールガールのほうへ打っただけだった。ボールガールは手がいっぱいで反応が遅れた」とツイートしたことを紹介している。
4大大会の規約では「プレーヤーはいかなるときも、トーナメント会場内で審判員、対戦相手、観客、またはそのほかの関係者を物理的に攻撃してはならない」と定められている。2020年の全米オープンでは、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)のボールが線審を務めていた女性に当たってしまい、失格処分となったこともある。
しかし今回は、ボールを当てた加藤ではなく、相手方の選手に批判が殺到しているという。なぜなのか。
「どうやら、相手選手はボールガールにボールが当たる瞬間を見ていなかったようなのです。『それなのに、どうして異議を唱えられるのか』とネットに相次いで投稿され、炎上しています。ボスコバ選手は『私が見ていなくても、チームが見ていた』と言ったと伝えられています」(前出・スポーツ担当記者)
日本のニュースサイトの書き込みには、相手ペアだけでなく
《主審が失格を認めたことが問題だと思う。しかも最初の判定を覆してまで相手の要求を受け入れた》
《このレフェリーの裁定によって、まず加藤選手が批判され、さらに泣きじゃくっていたボールパーソンが批判され、さらにさらにレフェリーが呼ばれるきっかけになった執拗な抗議をした相手ペアが批判され、、グランドスラムまれにみるミスジャッジだったと思います》
など、主審に対する批判も集まっている。また
《一番悲しいのは、避けきれずにボールが当たり、なぜか失格まで追いやられる流れを作ってしまったと勘違いしたボールガールではないだろうか》
と、ボールガールへの同情の声も多い。なんとも後味が悪い試合結果となってしまった。
( SmartFLASH )