2023年シーズンから米大リーグで導入された、投球間に時間制限を設ける「ピッチクロック」の導入が、NPBでも検討されていることが6月11日、わかった。
サッカーなどほかのスポーツと比べて、昔から「試合時間が長すぎる」といわれ続けてきた日本のプロ野球。それは日本に限らず、米国もだ。米国で4大スポーツとされる野球(MLB)、アメリカンフットボール(NFL)、バスケットボール(NBA)、アイスホッケー(NHL)のなかで、野球だけが唯一、時間制ではない競技であり、平均試合時間もいちばん長い。
【関連記事:吉田正尚 鯖江の怪童を開花させた「室伏塾」と「モデル妻の手羽先餃子」現地では「新人王当確」と大絶賛】
そこで、大リーグは今季から試合時間短縮を目的に「ピッチクロック」を導入したところ、試合時間を大幅に短縮(開幕から全50試合終了時の平均試合時間が、2022年の平均から30分短縮)させることに成功。効果があることが証明された。
また、3年後の2026年に予定されている第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でも、ピッチクロックの導入が確実視されており、今後、NPBでも導入に向けて本格的な議論に入る可能性が高まっている。
では、ピッチクロックとは具体的にどういうものなのか? あらためて説明すると、投手だけでなく、捕手や、打者にも適用されるルールとなっている。大リーグでは、ピッチャーの場合、ボールを受けてから、以下の規定に沿って投球しなければならない。
・ランナーなしの場合 15秒以内
・ランナーありの場合 20秒以内
この制限時間をオーバーすると、ペナルティとして、1ボールが宣告される。
ほかにも、キャッチャーの場合は、残り9秒までにキャッチャーボックスに入ってポジションに着く(それを破ると1ボール)、バッターは残り8秒までにバッターボックスに入って構える(それを破ると1ストライクが取られる)といったルールとなる。
これが適用されれば、いままで当たり前のように見られた、ピッチャーが捕手の出すサインに何度も頭を振ったり、塁上のランナーに執拗に牽制球を続けるといった光景は見られなくなるだろう。
NPBのピッチクロック導入検討に対して、ネット上では、
《慣れれば選手もファンもメリットだらけ。ランナー出したら1球投げるのに40秒が当たり前のプロ野球は暇な人しか見ていられない》
《だらだらとした試合展開多いからマジで導入すべき MLBはテンポはやくて快適》
など、賛成の声もあがった一方で、
《応援歌の前奏で終わるなぁ。…なんて思ってしまう》
《応援歌好きにはツラいルール》
という、日本のプロ野球独自の「鳴り物応援」への影響を心配する声もあがった。
NPBは2024年以降を視野に、運用を模索していくようだが、はたして、どうなる?
( SmartFLASH )