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【独占撮】北島康介・吉田秀彦・萩野公介「五輪金トリオ」が布教に励む「富士王朝は存在した」謎の新興宗教
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2023.06.20 06:00 最終更新日:2023.06.20 06:00
男たちは店外に出て、煙草の煙をくゆらせた。なかなか “一服” できなかった、長旅の疲れを癒やすかのように――。
6月8日、東京都内の蕎麦店から出てきたのは、元競泳選手の北島康介(40)と元柔道家の吉田秀彦(53)。2人はこの日、東欧・ポーランドから帰国したばかりだった。
「彼らは、ポーランド在住のウクライナ避難民に向けて『玄米粉』を届ける『世界平和人道支援団』として、5日に羽田空港から出国。8日に成田空港へ帰国しました。店での打ち上げにはいませんでしたが、2人に加えて北島さんの後輩の萩野公介さん(28)も一緒に渡航していたんです」と話すのは、ある宗教団体の関係者。
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じつは、この活動は宗教法人「不二阿祖山太神宮(ふじあそやまだいじんぐう)」と、その関連団体「地球(ちだま)と共に生きる会」によるものだという。
「世界平和人道支援団」は、2022年6月から活動しており、北島は第1回から海外渡航に参加。吉田と萩野は、今回から名を連ねていた。
全員が五輪金メダリストの“世界的トリオ”とつながる教団について、新興宗教に詳しいジャーナリストの藤倉善郎氏が話す。
「不二阿祖山太神宮は、2009年に設立。2012年に現在のように改称し、山梨県富士吉田市に移転した教団です。安倍昭恵さんが傾倒し、教団関連イベントの名誉顧問だったことでも有名です。
教祖の渡邉聖主(せいす)氏は、『宮下文書(みやしたもんじょ)』と呼ばれる古文書を教義の中心にしています。神武天皇よりも以前の200万~300万年前に、教団本部の場所に『富士王朝が存在した』と主張しており、宮下文書に記された古代神社の再建を、活動の中心にしているんです。
私が話を聞いた信者は『境内にある3本足の鳥居の真下では、電磁波の悪影響を防ぐことができる』『イエス・キリストもこの地で修行した』と話していました」
教団の公式サイトには古代神社の再建計画が示され、30億円を目標に「奉賛金」を募っている。だが、偽史を研究する作家の原田実氏は、根拠とされる「宮下文書」について懐疑的に話す。
「歴史学者の間では、ずさんな偽文書とみなされています。文書内に書かれている神社や王朝の実在はありえないというのが、現在の歴史学の認識です。
ただ、富士山を中心にしたオカルトは昔から人気があり、オウム真理教の麻原彰晃も、宮下文書の影響で富士山麓にサティアンを造ったといわれています。
分別のある大人が、偽書の内容をオカルト的に楽しむのはまだいいですが、それを未成年などに史実と信じ込ませるのは問題だといえるでしょう」(教団は真偽について「有識者の判断に委ねている」と回答)
今回、北島らは出発と到着時に、子どもも含む多くの教団関係者から、見送りと出迎えを受けていた。教団名が記された小旗とTシャツを着て、信者は熱狂的な反応を見せていた。北島らと教祖の渡邉氏を信者が囲うように、写真撮影までおこなっていた。
萩野も所属し、北島が社長を務めるマネジメント会社と、吉田が柔道部総監督を務める「パーク24」に、今回の渡航と不二阿祖山太神宮について尋ねたが、どちらも「回答を控えます」と言うのみだった。
北島は東京都水泳協会会長を務め、吉田が総監督を務める柔道部には阿部一二三(ひふみ)、阿部詩(うた)といった多くの五輪選手が所属している。立場のある人間が、なぜ“新興宗教の広告塔”になっているのか。スポーツジャーナリストの小林信也氏はこう指摘する。
「選手は競技中心の生活のなかで社会的な勉強が不足し、近づいてくる団体が、悪意を持って名誉を利用しようとしているかどうかの判断力に乏しい、というのがあるでしょう。
さらに、引退後の選手をきちんとサポートできるエージェントが少ないのも、危険を回避できない理由だと思います」
堂々とやっているならば、「何も言えねえ」とはならないはずだが……。