全国的に、平均より気温が高く暑いといわれる2023年の夏。7月17日、静岡県では4つの地点で猛暑日となった。
17日の正午前、全国高校野球の静岡大会2回戦がおこなわれていた静岡県焼津市の市営球場で「応援していた吹奏楽部の生徒が体調不良」と119番通報があり、選手2人を含む、合わせて6人が熱中症の疑いで搬送されたという。また同じ日の午後には、岡山市内の小学校でソフトボールの大会中、小学生4人が熱中症の疑いで病院に搬送された。
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炎天下の中、大会を戦わなければいけない選手たちは気の毒というほかないが、いくら熱中症対策をおこなったところで、この暑さの前には、気力も体力も限界があるだろう。そうしたなか、元陸上競技選手で400mハードル日本記録保持者の、為末大氏(45)による提言が話題を呼んでいる。
為末氏は17日、自身のTwitterで《私の提言です》として、
《【夏季期間において10-17時は18歳以下のスポーツ大会を禁止する】としてはどうでしょうか。
(公財)日本スポーツ協会「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」では、「35度以上では、原則運動を禁止する(特に子供)」というガイドラインを出しています。今の日本では気温の上昇が著しくなっており、38度を超えることも珍しくありません。
ガイドラインに従えば、すでに大会もトレーニングもできないことになっています》
とツイート。続くツイートで、夏の間のスポーツ活動を禁止するということではなく、たとえば日中の大会を夕方以降にするなど、開催時間をずらす案を示した。
《例えば現在19時の気温は都内でも29度です。つまり夏季期間は全体的に生活を後ろ倒し(または前倒し)して、日中の活動を避けるということです。
私の時代のインターハイは猛暑で、予選から決勝の間氷で体を冷やしながら挑みましたが、今考えれば気温は最高で35度程度でした。今はそれより3度ほど高いです》
かりに17時以降の開催となった場合、大会運営において多くの変更点が出てきてたいへんだろうが、それでもスポーツ界全体で、リーダーシップを発揮して変えていくべきとして、3回連続でのツイートの最後を《賛成の方はぜひ拡散をお願いします》と結んだ。この為末氏の提言に、ネット上では、
《いい考えだと思います しかし、試合の終了を22時とすると就寝時間がものすごく遅くなるのではないでしょうか》
《時間帯が微妙ですね。自治体によっては22:00~5:00までは、保護者同伴でも外出は条例違反です》
《反対です無理です睡眠時間が~ と切り捨てる意見が多いけど、夏の日中の活動制限には皆さん大賛成じゃない?(略)切り捨てるのでなく、実現可能にする意見交換が大事だと思います》
など、さまざまな意見が寄せられ、最初のツイートは925万回以上のインプレッションを記録するなど、大きな反響を呼んでいる。
また、寄せられた意見のなかには、現役の高校教師とおぼしき人物からの、
《勤務時間外ですからもちろん学校が関わらない前提ですよね。為末さんが陸連にでも直接働きかけてください》
というリプライもあったが、為末氏はこの意見に対して《生き抜く力とは自分の意見を持って、自分のリスクで行動することだと思います。やってほしいことを誰かに委託することではありません》と直接、リプを返し、自身も実現に向けて動くつもりであることをにおわせた。
18歳以下の夏季スポーツ大会のあり方に対して、覚悟をもって提言した為末氏。今後の、各競技の運営の対応はいかに――。
( SmartFLASH )