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秋田・明桜の応援曲で『太陽のKomachi Angel』がトレンド入り 甲子園で演奏されてきた「名応援曲」秘話
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2023.08.12 17:03 最終更新日:2023.08.12 18:05
8月12日、Xに『太陽のKomachi Angel』がトレンド入りした。1990年リリースのB’zのヒット曲が突然トレンド入りしたことに、何事かと思った人も多かったようだ。
トレンド入りの理由は、現在開催中の全国高等学校野球選手権大会の7日め(12日)第1試合でおこなわれた、明桜(秋田)対八戸学院光星(青森)戦で、明桜が応援曲として同曲を使用したこと。X上には、秋田名産のお米、「あきたこまち」にちなんだ使用では? と推察する声が複数あがったほか、
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《この曲が発売された頃には生まれてなかったような子達がこの曲の存在を知り、演奏してくれてると思うと胸熱…名曲ってこういう事よね…世代を超える…》
などの声が寄せられた。
今夏の甲子園では、1日めから、応援曲がXでトレンド入りしている。1回戦第3試合の共栄学園(東東京)対聖光学院(福島)戦では、聖光学院が現在、知人女性への強制性交容疑で“三軍扱い”の謹慎処分が続いている、西武・山川穂高の応援歌を応援曲として使用。これにSNSが騒然となり、
《聖光学院の応援なんか聞いた事あるな!?って思ったら山川穂高やんw》
《なぜ今やるんですか》
などの声が寄せられたほか、落語家の立川雲水は、
《あまりにベタ過ぎてちょっと恐縮なのだが、山川穂高の応援歌を使用したのが“せいこう”学院ってのは……ちょいと……》
と、皮肉まじりに、つぶやいた。
このように毎年、新たな曲が登場するたびに話題となる甲子園の応援曲。過去の応援曲を振り返ってみると、いまや王道となった曲から意外な曲まで、さまざまなタイプの曲が使用されてきた。
高校球児たちがリアルで聴いてきたような曲は、残念ながらオジサンファンにはピンと来ないだろうが、あえて古めの曲を取り入れたことで注目されるケースもある。
たとえば、2019年の夏の甲子園で、THE ALFEEの1984年リリースのヒット曲『星空のディスタンス』を応援曲に採用し、曲を完奏してスタンドを大いに沸かせたのが、習志野(千葉)だ。そのみごとな演奏と応援ぶりはファンの感動を呼び、THE ALFEEのメンバーからドリンク600本と激励の手紙が届いたというエピソードを持つ。
一方で、高校野球の応援曲には、甲子園の流れを変える「魔曲」と呼ばれる独自の応援曲も複数、存在する。
なかでも甲子園ファンに有名な魔曲のひとつが、今夏は甲子園出場を逃したものの、常連校・智辯和歌山(和歌山)のチャンステーマとして知られる『ジョックロック』だ。同校教頭の吉本英治氏は、2019年に『mysoundマガジン』の取材で、同曲誕生の由来を次のように語っている。
《あの曲を使うことになったのは、なんて言うか、苦肉の策でね。『野球部が甲子園に出場するたびに新曲を1曲ずつ入れよう」というのを応援団との約束事として続けていたら、あれよとあれよと毎年のように出るようになって、こっちがネタ切れになってしまったんです(笑)。
で、グラウンドの雰囲気をイメージしながら、いい曲はないかと探していたときに、なんの気なしに『XGworks』(音楽制作ソフト)のデモ音源を聴いたら、あの曲が入ってて。すぐに『コレや!』と思いましたね。もっとテンポを速くして、名前を連呼するコールを入れたら、否が応でも選手は奮い立つんやないかなって》
もともとは、ヤマハの音楽ソフトにサンプル音源として収録されていた曲が、甲子園の魔曲と呼ばれるようになるのだから、何がきっかけになるかわからないものだ。
また、こちらも今夏は出場を逃したものの、東邦(愛知)が使用する『SHOW TIME』も、湘南乃風の同曲を東邦流にアレンジした曲でファンの間で人気が高い。
本来の歌詞は「湘南!!!」のところを、「東邦!!!」と繰り返したあとで、一斉にブラスバンドによる演奏が始まるのだが、その応援は鳥肌モノのカッコよさだ。
ここで紹介した応援曲はあくまで一部だが、高校野球の応援曲には、まだまだ数々の名曲と、それぞれの曲にまつわるドラマがある。甲子園を観戦する際は、試合とともにスタンドから聴こえてくる応援曲にも、ぜひ耳を傾けてほしい。
( SmartFLASH )