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【球団ワースト】西武 85敗の“不名誉記録”更新の背景…山川の穴、エースの7キロ増

スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2024.09.21 15:00 最終更新日:2024.09.21 15:04

【球団ワースト】西武 85敗の“不名誉記録”更新の背景…山川の穴、エースの7キロ増

西武・高橋光成(写真・時事通信)

 

 今季、開幕からずっと下位を低迷していたかつての盟主・西武ライオンズ。その後も負けが込み、5月26日には松井稼頭央監督が事実上の解任となった。

 

 その後も復調の兆しを見せることはできず、127試合めとなった9月12日の楽天戦でも敗れて3連敗。これが今季85敗め(40勝2分け)となり、西鉄時代の1971年に記録した84敗(130試合制)を上回る球団ワースト記録を更新してしまった。

 

 その後の5試合では4勝1敗とやや持ち直したため、三桁の負け数を喫する可能性はなくなった(ちなみにプロ野球記録は、1961年の近鉄の103敗)。

 

 

 今季、西武にはもう一つ敗戦にまつわる記録がある。茶髪のロン毛と力強い投球で西武のエースとなった高橋光成投手。彼が開幕から11連敗を喫し、左わき腹を痛めたこともあり、今季の登板は見送られることとなったのだ。

 

 高橋投手の、開幕から先発登板での11連敗は、日本プロ野球史上初の記録である。また、ひとシーズンの連敗記録は、1956年の権藤正利投手(大洋ホエールズ)が記録した13連敗である。

 

「チームとしても選手としても、ワーストの記録に近づいてしまったわけですが、その背景は正反対なんです。

 

 まず、チームとしてですが、開幕前に主砲の山川穂高をFAでソフトバンクに獲られてしまった。昨季途中で知人女性への性的暴行をした疑いがあったため(その後不起訴)、積極的な引き留めはしませんでした。

 

 では、その穴を埋めるために積極的な補強を行ったかと言えば、それもしなかった。野手だけでなく投手に関してもです。

 

 そのため、今季開幕前から担当記者間では『今季はかなり苦しい。戦力補強もできなかったので、最下位の可能性は高い』とさえ言われていたんです。打つべき手を打たず、なるべくして最下位になった。そんなシーズンでした」(西武担当記者)

 

 一方で、「高橋に関しては事情が違う」と続ける。

 

「高橋はもともとメジャー志向が強い投手でした。来季、ポスティングによるメジャー移籍を西武にも訴えていて、そのために昨オフには体重を105キロから7キロ増の112キロにした。体を大きくすることで球速を160キロに近づけようとしたんです。しかし、身体は大きくなりましたが、逆に球にキレがなくなってしまったのです。

 

 チームは勝つための積極的な補強をせず最下位に沈んでいる。高橋は逆に良かれと思うことを積極的に取り入れながら連敗記録を作ってしまった。過程は違えど、結果は同じという皮肉なことになってしまいました」

 

 今オフ、おそらく西武は次期監督選びに始まり、身売りも含め、揺れに揺れるだろう。だが、エースの高橋はまだ27歳。もう一度身体を作り直せば、メジャー移籍の道は残されているはずだ。

( SmartFLASH )

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