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大谷翔平、最新手術で「170kmストレートも」医師が復活に太鼓判 TJ手術経験者はファンに「握手求めないで!」
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2023.09.26 06:00 最終更新日:2023.09.26 06:00
「早朝に手術を受け無事成功しました(中略)1日でも早くグラウンドに戻れるように頑張ります」
大谷翔平は9月20日、自身のSNSで手術の成功と、再起への決意をこう投稿した。
「17日に、残りの試合の欠場を発表した大谷ですが、多くの専門家は前回同様にトミー・ジョン(TJ)手術か、移植した靭帯の上に人工靭帯を補強するハイブリッド手術を受けると考えていました。しかし、今回はTJ手術とハイブリッド手術を組み合わせた、新たな手術だったといわれています」(現地記者)
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大谷が2018年10月に、初めてTJ手術を受けてから、わずか5年。
「今回の故障の最大の原因は疲労でしょう」
と語るのは、これまで計700件以上のTJ手術を執刀した、慶友整形外科病院スポーツ医学センター長の古島弘三医師だ。
「試合に出続けて休養がない状態でしたから、全身の疲労と右前腕の負担がかなり蓄積していたと思います。スポーツでは、疲労が溜まってパフォーマンスを発揮できなくなることをオーバートレーニング症候群といいます。体にその症状が現われ始めたのが、右手の痙攣で緊急降板を余儀なくされた、8月4日のマリナーズ戦でした。あの痙攣は“要注意信号”だったのです」(同前)
また「片寄った配球も、怪我に関係がある」と続ける。
「スイーパーやスライダーなど、カット系のボールを投げすぎたと思うんです。あの球種は、前腕に疲労が蓄積しやすい球種。それも疲労してくると、筋肉の力が働かなくなるので、負担はそのぶん、肘にきます。今季、100球中半分以上がカット系のボールという試合もありましたから」
二刀流としての復活は、早くて2025年といわれているが、自身も3度のTJ手術を経験した、元ヤクルト投手の館山昌平氏は、リハビリの過酷さをこう語る。
「僕は術後に、医師から『4カ月間は絶対に転ばないでください』と言われました。手術した手をついてしまったら、再手術となってしまう。もちろん引っ張る動作もダメです。これはファンへのお願いですが、もし突然、目の前に大谷選手が現われたとしたら、ファンとしては握手をしたいはず。でもそれは、大谷選手にとっては、すごく怖いことだと理解していただきたいです。手術は、回数を重ねれば重ねるだけ、体の繊維を切ったりするので、それだけダメージも残ってしまいます」
握手すらできないーー。今シーズン“MVP級”の活躍を見せた大谷にとって、最大の試練ともいえるが……。
「いやいや、大谷はさらにパワーアップして帰ってきます」と、古島医師は力強くエールを送る。
「2025年に、投手として痛みなく思いっきり投げることは十分、可能です。現在はリハビリも進化していますからね。ただし、復帰後は登板間隔を空けたり、投げた翌日は完全休養など、しっかりと休養を取ることが大切になってきます。長く現役を続けたいのであれば、休養もトレーニングのひとつですからね」
大谷が“パワーアップ”するとして、具体的にどのように進化するのだろうか。現地紙記者はこう分析する。
「大谷の持ち味といえば、やはり、抜群の球威がある最速165kmのストレートです。肘の調子が今年よりもよくなると考えると、世界最速の170kmも夢物語じゃありませんね。実際、レンジャーズのN・イオバルディは、2016年に2度めの手術を受けましたが、復帰した2018年にはレッドソックスでワールドシリーズ制覇に貢献。今季も9月23日時点で11勝4敗。チームのエースとして活躍していますよ」(現地紙記者)
館山氏も、大谷のさらなる成長の可能性に太鼓判を押す。
「私の2度めの手術は32歳のときで、筋力や瞬発力がさらに上がるというわけではなかった。しかし、大谷選手は来年30歳で、体もまだ成長過程ですからね」
来季は開幕から打者のみで間に合う予定。日本人初の本塁打王どころか、進化した大谷には三冠王を期待したい。