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岡田監督も苦笑い…いまや世界でセ・リーグだけ「DH制」未導入で阪神外国人投手が防具装着に四苦八苦
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2023.09.27 13:58 最終更新日:2023.09.27 14:27
9月25日、阪神タイガースと中日ドラゴンズのセ・リーグ公式戦で珍事が起きた。
7回無死一塁の場面で、阪神の打順は今季来日したばかりの新外国人投手のビーズリー。前の回に2番手で登板した彼は、7回も続投するために打席に向かった。
しかし、打席に入る直前、死球などでの怪我を防ぐために、打者が脚につける防具の装着具合いを球審に確認されるバタバタぶりを見せた。
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ビーズリーは、初球に一塁線に転がす犠牲バントを試みるもファウルに。そこで、さらなるハプニングが起こる。走り出したことで、ビーズリーの防具が外れてしまい、ふたたび装着するのに四苦八苦。中日の一塁を守っていた宇佐見真吾も駆け寄って、ビーズリーの防具装着を手伝うという、プロ野球ではなかなか見られない光景が……。これには、阪神の岡田彰布監督も苦笑いだった。
この様子を見たSNS上のプロ野球ファンからは、
《これは優しい世界》
《今日イチャイチャしすぎたろさすが竜虎同盟》
《なにこれ宇佐見惚れてまうやん》
と、微笑ましい光景に好意的な感想が寄せられていた。
野球ライターは、こうした珍事が起きるのには大きな理由があると話す。
「ビーズリーは8月3日の試合でも、到底、成功しなさそうな形で犠牲バントを失敗していました。それに対して、岡田監督も笑って出迎えるほど、優しい対応を見せています。それもそのはずで、いまや、世界の主要プロ野球リーグで『指名打者制(DH制)』を導入していないのは、日本のセ・リーグだけですからね」
DH制は、本来、打席に立つ投手に代わって、守備に就かない野手が打席に立つ制度だ。日本ではパ・リーグで1975年から導入され、二軍のイースタン・リーグとウエスタン・リーグは、どちらもすでに採用している。
「米メジャーリーグでも長らく、アメリカン・リーグ(ア・リーグ)だけがDH制を導入していましたが、2020年に、新型コロナウイルス感染症の影響で短縮シーズンとなったのを機に、ナショナル・リーグ(ナ・リーグ)でもDH制が一時的に導入され、2022年からはナ・リーグも通常で採用されました。
米国ではマイナーリーグはもちろん。大学野球、それより低年齢のアマチュア野球でも、大きな大会はほとんどDH制を採用しています。そのため特別、打撃が得意な投手以外は、ほとんど公式戦で打席を経験することがない状況なんです。
ビーズリーは2020年に、ナ・リーグのアリゾナ・ダイヤモンドバックスでメジャーデビューしましたが、翌年にはア・リーグのトロント・ブルージェイズに移籍して、今季来日。阪神ではチームの計らいで、二軍試合で数打席、経験する投手もいますが、ビーズリーは経験していません。今季、一軍で打席に立ったのが何年ぶりという状態だったんです」(前出・野球ライター)
米国だけでなく、来日する外国人選手が在籍することの多い韓国、台湾、メキシコのプロリーグでも、DH制を導入している。
日本では、甲子園で投手が打席に立っているのが見られるように、高校野球では指名打者制を導入していない。しかし、それもアマチュア野球では珍しい光景になりつつある。
「社会人野球も都市対抗野球、日本選手権という大きな大会は、もちろんDH制を採用しています。さらに、国内の大学野球でも、東京六大学野球と関西学生野球連盟以外はすべてDH制です。そのため、セ・リーグに所属する日本人投手でも、まったくと言っていいほど犠牲バントができない選手も増えてきています」(同前)
じつは微笑んでいられない状況なのかも――。
( SmartFLASH )