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ソフトバンク近藤健介に浮上した「史上最低の三冠王」は “球史に残る名将” 以来…今季はWBC後遺症ふっ飛ばし開眼!
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2023.09.30 18:37 最終更新日:2023.09.30 18:51
9月29日、埼玉西武ライオンズ戦で、福岡ソフトバンクホークスの近藤健介が第25号ソロ本塁打を放った。
これで、9月29日終了時点の近藤の今季主要3部門の打撃成績は、打率3割、25本塁打、85打点とチームの主軸打者として大合格の成績になった。
だが、パ・リーグ自体に “異変” が生じているようで――。
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「ここ数年、“投高打低” の傾向が強いパ・リーグですが、今季は歴史的に稀に見るほど、主要3部門の成績が伸び悩んでいます。近藤選手のこの成績で、打率は2位、本塁打は1位タイ(ほか3人)、打点は1位と三冠王が目前の状況なんです。
9月29日終了時点で、ソフトバンクは残り6試合と、逆転で三冠王を獲得する可能性は大いにあります。しかし、いくらなんでも成績が悪すぎるので『このままじゃ “史上最低の三冠王” だよ……』という嘆きも聞こえてきているんです」(プロ野球担当記者)
低い水準の三冠王争いは過去にもあった。
1995年、イチローが打率3割4分2厘で2度めの首位打者を獲得した際は、80打点がリーグ1位(パ・リーグ史上最少)。25本塁打は3本差のリーグ3位タイで三冠王に近づいたときがあったのだ。
それ以上の成績ではあるが、実際に「史上最低の三冠王」と揶揄されたバッターがいたと、スポーツライターが話す。
「それは落合博満さんです。1982年、落合さんは1度めの三冠王を獲得したのですが、打率3割2分5厘、32本塁打、99打点の成績で、そう呼ばれてしまいました。
落合さん以前に三冠王を獲った野村克也さん、王貞治さんが40本塁打以上、100打点以上をマークしたこともあってか、“史上最低” と呼ばれてしまったんです。
ただ、その後の1985年、落合さんは打率3割6分7厘、52本塁打、146打点という “史上最高” とも言える成績で、2度めの三冠王を獲得しています」
落合は打者としても数々の大記録を残し、監督時代は中日ドラゴンズを4度のリーグ優勝、1度の日本一に導き、球史に残る名将とも知られている。
そんな人物と肩を並べるとすれば、近藤としても光栄かもしれない。
近藤は、昨季オフに北海道日本ハムファイターズからFA宣言し、今季からソフトバンクで活躍。日本ハム時代にも規定打席到達の打率3割以上が4回を記録するなど、打撃には定評があった。
シーズン前には野球日本代表・侍JAPANの一員として、「ワールド・ベースボール・クラシック」にも出場し、大谷翔平の前を打つ、2番打者として大活躍だった。
前出のプロ野球担当記者はこう話す。
「近藤のこれまでのシーズン本塁打は11本が最高でした。本塁打の出やすい『PayPayドーム』を本拠地とするソフトバンクに移籍したとはいえ、ここまでの長打力開眼は驚きでした。それどころか、今季開幕当初は “WBC後遺症” があるのでは、と心配していたほどです。
2022年、史上最年少の三冠王に輝いた村上宗隆が成績を大きく落としているように、山田哲人もケガで途中離脱。また、海の向こうでは大谷が右肘故障で手術に踏み切るなど、ふだんの開幕よりも早い時期に調整していたことの影響がうかがえました。
それに対して、近藤はこれまでのプロ11年間で一度も一軍全試合出場を果たしたことがなかったにもかかわらず、今季はここまで全試合出場を続けていることも驚異的ですね」
2022年、本塁打王の山川穂高が不祥事で長期謹慎。毎年のように首位打者争いをしていた吉田正尚もメジャー移籍し、奮わないタイトル争いになってしまったパ・リーグ。
現在、ケガで離脱しているオリックス・バファローズの頓宮裕真がトップを走る首位打者争いも、打率3割7厘と2リーグ制以降の最低記録タイになりそうだ。
そんな状況でも、近藤が三冠すべてを揃えれば大きな名誉になることは間違いない。
( SmartFLASH )