スポーツ
立教大・駅伝監督“部員と不倫”で失った超破格待遇「箱根」バブルで「1500万円」指導者予算の大学も
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2023.10.12 18:47 最終更新日:2023.10.13 15:34
10月12日、立教大は、同大陸上部の駅伝チーム監督・上野裕一郎氏を11日付で解任したことを発表した。
上野氏は2023年1月2日、3日におこなわれた「第99回東京箱根間往復大学駅伝競走」(以下「箱根」)で立教大を55年ぶりの出場に導き、注目を集める若手監督だった。
しかし10月11日、「デイリー新潮」によって、陸上部の女子部員と不倫関係にあることが報じられていた。それも、部活動の移動用などのために購入した「部の車」を、女子部員と私的に使用していたことなども明らかになり、批判の声があがっていた。
【関連記事:渋野日向子の弱音「わからない、ゴルフって何なの…」“バストアップ”が招いた極度の不調】
スポーツライターが上野氏について、こう話す。
「オリンピック出場やマラソンでの目立った活躍などはない上野氏ですが、強気な性格も相まって、陸上界では“スター選手”の認識でした。
中央大時代は、エースとして『箱根』の区間賞も獲得したのはもちろんのこと、実業団選手になった2009年には、日本一にも輝いたことがあります。日本選手権で、5000mを制した後に1500mに出場し、ほかの選手を置き去りにして独走で優勝したシーンは、陸上ファンのなかで語り草になっています」
2018年11月に、立教大の駅伝チーム監督に就任した上野氏だが、自身も現役選手として、競技を続けていた。2023年1月の「箱根」を指導者として見届けると、約3週間後の「第28回全国都道府県対抗男子駅伝」では、自身が長野県代表として出場し、同県を優勝に導いていた。
このことから、“日本一速い監督”という異名でも、上野氏は知られている。
「それだけの有名選手だったため、当時、かなり低迷していた立教大の監督に就任したことは、大きな話題になりました。就任当時の立教大は、同じ『東京六大学』で知られる東京大学より、弱いといわざるをえなかったですから……」(前出・スポーツライター)
近年では、青山学院大の原晋監督のように、「箱根」を機に大きな注目を集める指導者が増えてきている。各大学の「箱根」出場を目指す姿勢について、スポーツ紙記者はこう話す。
「全国的に名が知られている『箱根』ですが、関東学生陸上競技連盟が主催しているように“関東大会”にすぎません。しかし、今回、第100回の記念大会で、全国の大学が予選会に参加が認められたように、大学側の『箱根』への注目度が高まっています。
いまでは、かつての強豪校や常連校が予選会で敗退することは珍しくありません。そういったなかで、『箱根』出場を目指して強化に取り組む大学の予算規模は、年々と拡大していっています」
10月14日におこなわれる第100回の『箱根』予選会には、57チームがエントリーし、「13」の出場枠を争うことになる。そもそも、この予選会にエントリーするにも、大会側が設定した参加資格記録を10人以上が突破していなければならない。
「私が聞いた『箱根』出場を目指す大学の話では、駅伝専門指導者の“給与予算”に1500万円程度も割いていると聞きました。これは、短距離種目などの指導者に比べたら破格の待遇です。
立教大も長年、遠ざかっていた『箱根』出場を目指して、上野氏を招いていました。ほかの大学との獲得競争や、実際に『箱根』出場を達成した実績を考えれば、年収1000万円以上は不思議でもありません。
それだけに、上野氏を監督に招いた立教大としても、今回の騒動のショックはかなり大きいでしょう」(同前)
関東学生陸上競技連盟が掲げている「誓い」には、こう記されている。
《我々は学生競技者としての自覚と誇りを持ち、フェアプレーの精神を堅持し、青少年の模範となる節度ある言動を行うべく、自らを律することを誓います》
過度の競争激化とマネーゲームによって、大学や指導者側が自らを律することができなくなっては、元も子もない。
( SmartFLASH )