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「無責任にも程がある」サッカーJリーグ秋春制移行へ、新潟社長は「屈辱」と反対…SNSでも根強い反発

スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2023.10.20 21:00 最終更新日:2023.10.20 21:00

「無責任にも程がある」サッカーJリーグ秋春制移行へ、新潟社長は「屈辱」と反対…SNSでも根強い反発

野々村芳和チェアマンもシーズン以降には前向きだが…(写真・時事通信)

 

 10月18日、サッカーJリーグは実行委員会を開き、開幕時期を現行の2月から8月に変える「秋春制」へのシーズン移行に舵を切った。Jリーグ事務局は、J1からJ3まで全60クラブの実行委員に対し、移行に賛成の立場で議論を加速させていくことを示した。

 

 フットボール担当の窪田慎二・執行役員は委員会後、「リーグとしてもシーズン移行に関してポジティブであると伝えた。すべてのクラブの同意が得られるような合意形成をすべく、課題を解決できるような提案をしていく」と話した。野々村芳和チェアマンも同様の見解を示したという。

 

 12月19日の理事会で最終結論を出す予定。最短で2026年からの移行を目指す。

 

 

 2021年9月にプロ化して開幕したサッカー女子のWEリーグはすでに「秋春制」を導入しているが、シーズン移行した場合のメリットは以下のことが考えられる。

 

●欧州のリーグと開幕時期を合わせることで、シーズンオフの移籍時期のズレが解消され、海外クラブからより多くの移籍金を獲得できる。外国人選手のJリーグ加入も円滑化できる

 

●シーズンをまたがずAFCチャンピオンズリーグに臨むことができ、チーム編成の苦労も回避できる

 

●6、7月をシーズンオフとすることで、猛暑時期の試合減少による選手のパフォーマンス向上

 

「秋春制」になると、8月初旬に開幕し、5月末に閉幕することになる。そのため、降雪地帯の複数のJクラブは反対を表明。J1新潟の中野幸夫社長は、毎日新聞の10月12日の取材に「移行するメリットを感じられない。今まで約30年、ここまで発展してきたことに自信を持って、ここをベースにさらなるステップアップを考えるべきだ」と語っている。

 

 また、スタジアムがクラブ専用ではない場合、他の利用者との日程調整が難しくなるとし、「地域密着を掲げるクラブにとって、他の団体に迷惑をかける立場になることは、屈辱以外の何ものでもない」と述べた。

 

 SNSでは、秋春制移行に反対する声が圧倒的だ。

 

 まずあがったのは、豪雪地帯のクラブに秋春制は無理という声だ。

 

《いやいや、Jリーグ秋春制は無理があるやろさすがに 東北とかの雪国どうするねん 不公平やろそんなん》

 

《無責任にも程がある 初めからこれ云ってたら加わらなかった地域絶対あったろ》

 

《JリーグもJFAも日本海側が世界屈指の豪雪地帯ということを理解してないでしょ 東京でのうのうと過ごしてるお前らと違って冬の環境めちゃくちゃ厳しい それを全無視して強引に秋春制に移行とかアホすぎるわ》

 

 Jリーグは発足当初から「Jリーグ百年構想」を掲げ、地域密着をうたってきた。

 

 1993年に10チームで産声をあげたJリーグは、30周年を迎えた2023年でクラブ数は60にまで拡大。日本全国47都道府県のうちJリーグ所属のプロサッカークラブを持たないのはわずか6つだけだ。

 

 秋春制への移行は、「百年構想」に反するという声も、SNSでは多く上がった。

 

《Jリーグは100年構想と地域密着をお題目に地方行政を動かし加盟クラブを増やすことでシェア拡大を図ってきた。今回のシーズン移行と決定プロセスはその梯子を外す行為。ならばせめて、Jリーグ100年構想の撤回を宣言するのが公益社団法人としての筋ってもんじゃないですかね》

 

《「あなたの町にも、Jリーグはある」という百年構想を掲げてきたJリーグにとって、どんな雪国だろうと山間部だろうと、日本全国津々浦々に「地域に根ざしたスポーツクラブ」をつくること、できることは「社会への約束」に等しいんです。秋春制への移行はそれを裏切ること、だと個人的には思います》

 

 Jリーグは2017年にも秋春制への意向について議論したもの、J加盟54クラブ対象の正式調査で約8割が反対し、移行を断念した。今回もSNSでの反応を見ると、実現のハードルはかなり高いと思えるのだが……。

( SmartFLASH )

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