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“相撲界の大谷翔平” 熱海富士、パワーの源は「すき家のまぐろたたき丼」福原遥と遠藤さくら推しを公言!

スポーツ 投稿日:2023.11.14 06:00FLASH編集部

“相撲界の大谷翔平” 熱海富士、パワーの源は「すき家のまぐろたたき丼」福原遥と遠藤さくら推しを公言!

取材場所にあったドラムセットで急遽撮影(写真・高橋マナミ)

 

 11月12日に初日を迎えた大相撲九州場所。ひときわ注目を集めているのが、熱海富士(西前頭八枚目)だ。九月場所は11勝4敗。優勝決定戦で大関・貴景勝に敗れ賜杯こそ逃したものの、敢闘賞を受賞。多くの相撲ファンに、その存在を強く印象づけた。

 

「街を歩いていて、これまでは『お相撲さん』と言われていましたが、最近は『熱海富士!』と呼んでくれる人が増えました」

 

 

 と、顔をほころばせる21歳。その素顔とは――。

 

 四股名のとおり、出身は静岡県熱海市。入門する際、生まれ育った地元の名前を四股名に入れたいと師匠に話したところ、この四股名をもらったという。

 

「この世界に入るとき、いくつかの部屋から声をかけていただいたんですが、最初に見学したのが、高校の先輩の翠(みどり)富士関や颯(はやて)富士さんがいる伊勢ヶ濱部屋でした。

 

 普通なら、高校生が来ても “お客さん” 扱いだと思うんですが、手加減なく、しっかりと稽古をさせてもらい、照ノ富士関や安治川親方からも一番ごとにアドバイスをいただきました。

 

 照ノ富士関に『どこの部屋に入るにしても、強くなるには稽古しかないよ』と言ってもらい、強くなるならここだと思って、すぐに入門を決めたんです」

 

 入門の決め手となったのは、ほかにもあった。

 

「部屋の近くにすき家とセブン-イレブンがあったんですよ。この2つがあれば、自分は生活できるんで(笑)。すき家の『まぐろたたき丼』が大好きなんです」

 

 小学2年から柔道を始め、小学6年のときにわんぱく相撲に出場したことがきっかけで、三島の相撲クラブに誘われた。そのときすでに身長は170センチを超え、体重は100キロだったという。

 

 家族は母親と妹。高校時代は、相撲部の稽古が終わると、家計を助けるために、ホテルで皿洗いのアルバイトをした。

 

「体が大きすぎて、ホールでは働けなかったんです(笑)。この体格のせいで、バイトはいくつも断わられました。子供のころから自分で食事を作ったりもしていたので、入門してからも “ちゃんこ番” はしっかりできていたと思います。幕下筆頭で勝ち越して、関取昇進を決めた日も、部屋で米を研いでいました」

 

 ちなみに、本名は武井朔太郎という。

 

「詩人の萩原朔太郎からつけたと、親から聞いています。自分は作品を読んだことがないんですけどね……」

 

 初土俵は3年前、2020年の九州場所。序ノ口、序二段で連続優勝と、破竹の勢いで番付を駆け上がった。元横綱で解説者の北の富士さんが、早くから熱海富士に注目していたことは有名だ。新聞の連載コラムで「相撲界の大谷翔平選手になる力士」と評したこともある。

 

「本当に感謝しています。自分がこれだけ注目してもらえるのも、北の富士さんのおかげです。一度、両国国技館でお会いして『ありがとうございます』と挨拶をしたら、『いつも見てるよ』と声をかけていただきました」

 

 1年前、2022年の九州場所は新入幕だったが、4勝11敗と大負け。「幕内の壁」にはね返された。

 

「関取で弱い力士なんていないんですよ。ちゃんと稽古して、強くならないと勝てない。当たり前なんですけど。先場所は幕内に戻って最初の場所でしたけど、新入幕のときと何が違うかというと、そんなに変わったところはないと思うんです、根本的なところは。ただ、一番一番しっかり取ろうというだけで、優勝なんて考えるわけもない。

 

 でも、三役と当たるのも初めてだったし、幕内の後半で相撲を取るのも初めてで、とにかくすごい体験をさせてもらった場所でしたね。優勝できなかったのは、稽古が足らなかったということ。九州では、先場所で見つかった課題を克服して、ひとつでも多く勝ちたいです」

 

 そして、将来は?

 

「この世界に入ったからには、もちろんいちばん上まで行きたいと思っています」

 

 と力強く宣言する。熱海富士は2023年5月にも本誌の取材に応じ、大ファンだというロックバンド「back number」への愛を存分に語ってくれた。

 

「あの記事のおかげで、自分がファンだということが浸透しているみたいなんです。同じback numberのファンの力士が頑張っているって、SNSで応援してくれたりするんです。来年のライブも、ぜひ行きたいんですよ。ファンクラブ限定のライブなんですけど、倍率が高いんですよね」

 

 好きなタレントは、福原遥と乃木坂46の遠藤さくら

 

「福原さんは、NHKで料理番組をやっていたときからのファンです。遠藤さんは、この前写真集が出たんですけど、発売初日に買いました!」

 

 テレビが大好きで、「バラエティ番組にも出てみたい」と目を輝かせる。

 

「『しゃべくり007』とかに出てみたいですね。ただ、バンジージャンプの企画だけはちょっと無理です(笑)」

 

 こういった話題では、やはり21歳の顔が覗く。

 

 先場所は「令和の高見盛」というニックネームが、スポーツ新聞の見出しに躍ることもあったが、本人はどうも納得がいかない様子だ。

 

「いやあの、別に(元高見盛の)東関親方がイヤとかじゃないんですよ。でも、う~ん……。なんかほかにいいニックネームないですかね(笑)」

 

 会った誰もが応援したくなる “愛されキャラ”。愛称を募集中だ!

 

あたみふじさくたろう
2002年9月3日生まれ 静岡県熱海市出身 186センチ、181キロ 飛龍高校から伊勢ヶ濱部屋に入門。2020年九州場所で初土俵。2022年九州場所で新入幕。初土俵から新入幕まで12場所は歴代8位タイのスピード記録

 

写真・高橋マナミ
コーディネート・金本光弘
取材協力・CAFE kichi

( 週刊FLASH 2023年11月28日・12月5日合併号 )

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