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「スポーツ報知の記事は誤報」Jリーグ「企業名OK」即否定も…本田圭佑の提言にすがりたくなる「財政難」の現実
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2023.12.13 18:37 最終更新日:2023.12.13 18:43
Jリーグに激震が走った。12月13日付けの「スポーツ報知」が裏一面で、「来季J企業名OK」と打ったからだった。
Jリーグは、1993年開幕以来、地域密着を打ち出すために企業名を入れることを認めていなかった。だが、それを覆すのは、発足からちょうど30年経ち、地域性が熟成したからと結論づけている。
しかし、同日午前11時過ぎ、Jリーグは公式サイトで、《スポーツ報知より、「Jリーグが、スポンサー企業名入りのクラブ名称を認める」との報道がありましたが、本件は、実行委員会や理事会でも全く検討されていない内容であり、事実無根です》とすかさず否定した。
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慌てたのはJリーグだけではない。スポーツ紙のサッカー担当記者が語る。
「Jリーグは一貫して企業名を入れることに反対していましたから、本当なら大スクープ。新聞各紙の記者も大慌てで、すぐに確認作業に入りました。Jリーグも午前中から大騒ぎでしたね。
でも、すぐに『スポーツ報知』の記事は誤報であると否定。Jリーグが記事に関して “誤報” と反応するのは珍しく、それだけ慌てていたということです」
また、鹿島アントラーズの小泉文明社長も自身の「X」(旧Twitter)で、《全く根も葉もない記事がスポーツ報知から出てます。1ミリも実行委員会でも理事会でも議論が出てない》と綴った。
もっとも、前出の記者は、誤報であると確認するまでは、「スポーツ報知」の記事は「ありえる話だと思った」と続ける。
「というのも、Jリーグ各クラブはどこも財政的に厳しい状況に追い込まれています。今季初優勝したヴィッセル神戸にしても同様です。日本代表は大半が海外組となり、若手の有望株もすぐに海外へ出て行く傾向にある。
スタジアムは、日本代表戦では満員になってもJリーグの試合では空席が目立ちます。新たなファンを発掘する材料が乏しいんです。そこで、チーム名に企業名を入れれば、大きなバックアップを得られます。
実際、野々村芳和チェアマンに代わってから、企業名を入れるかどうか検討されたという話は伝わってきていました。本音をいえば、企業名を入れたいクラブは多い。とくにIT系の会社を親会社に持つFC東京(ミクシィ)や鹿島(メルカリ)などは、その思いは強いはずです。
ただ、そうなるとJリーグの規約を変えなければならないし、何より初代チェアマンだった川渕三郎氏の構想から脱却する必要があるため、その議論は進まなかったと聞いています」
また、なぜスポーツ報知が署名入りの原稿でこの記事を書いたかについては、「当然Jリーグへの取材、確認はしているはずです。だからこそ、なぜ誤報になってしまったのかは謎。我々も知りたいくらいです」と首を傾げた。
2023年1月、元日本代表の本田圭佑が「X」に、《Jリーグ。サッカークラブに企業名を入れられるようにするべき》と投稿。《地元に根付いたクラブにしたいという構想は分かるけど、事実としてほとんどのクラブが親会社やスポンサーがいないと経営が成り立っていない。お金を広告費として出しやすいようにルールを変えるべき》と持論を述べ、注目を集めた。
クラブ経営の再建のため、あらゆる選択肢が議論されるべき時期にきているのかもしれない。
( SmartFLASH )