楽天イーグルスのエース・則本昂大投手を迎えて、神スイング・稲村亜美が危険球ギリギリの質問攻め。
稲村 は、はじめまして。今日はよろしくお願いします(かなり緊張気味)。
則本 CMや始球式で見てるので、初対面の感じがしませんけどね。
稲村 じつは私、テレビ番組の企画で弟さん(社会人野球チーム「山岸ロジスターズ」の則本佳樹投手)と対戦させてもらったことがあるんですよ。
則本 あーっ、そうやった。アイツ、だいぶ本気で投げてたでしょ。
稲村 勝負ですから(笑)。
稲村 今シーズンの前半は、ローテーションで水曜日に投げることが多かったですよね。私も『プロ野球ニュース』の水曜担当なんで、毎週、奪三振ショーをワクワクして拝見してました。
則本 ありがとうございます。
稲村 あの野茂英雄さんの6試合連続2桁奪三振(1991年)を超えて、8試合連続2桁奪三振の日本記録樹立です。三振へのこだわりはありますか?
則本 三振もゴロやフライと同じひとつのアウトだと思ってます。ただ、三振はリスク(野手のエラーやミス)が少ないので、欲しいときに取れるようにはしたい。今年は記録もかかっていて、ファンの人たちが三振を期待してるのが伝わってきましたから、それに応えたいとは思っていました。
稲村 記録がかかってくると、捕手の方のリードも違うんですか?
則本 6、7、8試合めぐらいは、三振狙いの配球になってましたね(笑)。
稲村 シーズン最多奪三振も3年連続(2014~2016年)です。もちろん今年も?
則本 できればいいですけど、今年は雄星(西武・菊池雄星投手・26)が調子いいですから、どうですかね。
稲村 オールスター戦では158キロと、ご自身の球速記録も更新しました。
則本 セリーグのベンチから、向こうの先発だった菅野さん(巨人・菅野智之投手・27)が「もっと真っ直ぐでいけ!」ってサイン(ジェスチャー)を送ってくるんで思いきり投げたんです。あの158キロは菅野さんのおかげです(笑)。
稲村 則本投手はプロ入りした2013年から開幕投手、15勝、新人王と大活躍して、チームも日本一になりました。
則本 今考えれば、すごいことなんですけど、1年めなので無我夢中でやってただけで。ただ優勝の瞬間には、小1から野球を始めて、やめたくなったときが何回もありましたけど、本当に続けてきてよかったと思えました。
稲村 その年はメジャー移籍直前の田中将大投手(現ヤンキース・28)が、シーズン無敗24連勝という伝説も作りました。田中投手から学んだこと、残っているものなどはありますか?
則本 本来なら田中さんが開幕投手なんですが、WBCがあったので、僕に回ってきた。開幕のマウンドに向かうとき、田中さんからもらったのが、「今の自分ができることを精いっぱいやってくればいい」というアドバイス。それは今でも肝に銘じて野球をやってます。
稲村 今の自分ができること……深いですね~。そうですよね。無理したって、できないことはできない。私も、その言葉、胸に刻んで仕事します。
則本 もっとできるようになるために、練習、努力はしなきゃいけないんだけど、背伸びする必要はないんです。どんな職業にも通じることですよね。
のりもとたかひろ
1990年12月17日、滋賀県生まれ。八幡商業高校、三重中京大学を経て、2013年にドラフト2位で楽天に入団。プロ5年め
いなむらあみ
1996年1月13日、東京都生まれ。小中学校の9年間を男子にまじって野球に打ち込む。スポーツ番組やバラエティで活躍
(週刊FLASH 2017年10月3日号)