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長男誕生、GI制覇、800勝達成で飛躍の年に…藤岡康太騎手が落馬事故で死去 JRAでは平成以降3人めの悲劇
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2024.04.11 17:29 最終更新日:2024.04.11 17:37
JRAは4月11日、藤岡康太騎手が亡くなったことを発表した。
4月6日の阪神競馬第7レースで落馬、入院し治療を続けていたが、10日午後7時49分に帰らぬ人となった。
「事故が起きたのは3コーナー。騎乗していた馬が、前の馬に触れてつまずいたため、藤岡騎手は転がり落ちるように落馬、しかも後続の馬と接触したようにみえました。頭部と胸部を負傷し脳挫傷と発表されていたので、おそらく後続の馬に頭を蹴られてしまったのだと思います。
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落馬があったとき、後ろの馬は避けようとしますが、すぐ目の前の落馬で避けきれなかったようです」(競馬ライター)
レース中の落馬によって騎手が亡くなったのは、JRA発足の1954年以降、20人め。平成以降では、1993年の岡潤一郎騎手、2004年の竹本貴志騎手に次いで3件め。公営競馬では、3月24日に高知競馬所属の塚本雄大騎手が高知10レースで落馬し、同日に死去したばかりだった。
藤岡騎手は1988年生まれの35歳。祖父が厩務員、父は藤岡健一調教師、兄が藤岡佑介騎手という競馬一家に生まれ、2007年に騎手デビュー。2009年にはジョーカプチーノに騎乗し、NHKマイルCでGI初制覇を果たしている。2023年には、ナミュールでマイルチャンピオンSを制し、GI・2勝め。2024年3月30日にはJRA通算800勝をあげ、今後の活躍が期待されていた。
「2023年のマイルCSは、レース当日に騎乗予定だったムーア騎手が落馬負傷したため、急きょ騎乗が決まりました。ナミュールは気性に難しい面がある馬ですが、冷静な騎乗でみごとに末脚を引き出しました。この好騎乗が評価され、2024年は依頼される馬のレベルも上がっており、飛躍の年となるはずでした。
私生活では、2023年6月に男の子が生まれたばかりでした。マイルCSを勝った後のインタビューでは『子どもができて変わりましたね。ジョッキーとして結果を残さないと、という気持ちは、より強くなりました』と語っていたのですが……」(同前)
先輩騎手であり、日本騎手クラブ会長の武豊は
「こんなにつらく、悲しいことはありません。まだ、信じられないです。今後、康太の思いを胸に乗っていきたいと思います」
とのコメントを発表。死を悼んだ。SNSでは
《本当に言葉が出ません。この前の小倉競馬では、全員にサインを書かれていました。いつもファンを大切にされる方でした。もう藤岡騎手の活躍を見られないと思うと本当に残念です》
《いつも笑顔のファンサービスがもう見れないのが悲しいです ご冥福お祈りします》
など、優しい人柄をしのび、追悼する声があふれている。
( SmartFLASH )