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「フリーマンの長男もなついていたよ」ドジャース番記者が見た“一平ショック”を支える大谷の「新友人」

スポーツ 投稿日:2024.04.25 06:00FLASH編集部

「フリーマンの長男もなついていたよ」ドジャース番記者が見た“一平ショック”を支える大谷の「新友人」

今季シアトル・マリナーズから加入したドミニカ共和国出身の外野手テオスカー・ヘルナンデス(写真・アフロ)

 

 大谷翔平山本由伸の加入で、ワールドシリーズの優勝候補筆頭ともいわれているのが、今季のドジャースだ。日本のみならず、世界が注目する大谷と山本の今季の様子を、ドジャース番記者2人が明かした。

 

 昨季からMLBで導入されている「ピッチクロック」と呼ばれる投球間の時間制限ルール。試合時間の短縮が意図で、走者がいなければ投手は15秒以内、走者がいる場面では20秒以内に投球動作に入らなければならないというものだったが、今季から走者がいる場面では20秒から18秒へと、さらに制限が短縮された。

 

 

 その影響か、開幕間もないのに、MLBではエース級の投手の故障離脱が相次いでいる。MLB機構は一貫して「ピッチクロックと故障は無関係」との立場を取っているが、MLB選手会は「健康面の大きな懸念を無視し、時間短縮を決めたことが、選手に前代未聞の危機をもたらしている。(投手の)回復する時間が十分でなく、体へ与える影響への懸念は深まっている」とMLB機構を批判した。

 

 4月8日の試合前のメディア対応では、大谷も「(ピッチクロックと投手の故障の因果関係の確証はないが)負担は確実に増えている。自分の感覚では間違いない」などと言及したことが話題となった。

 

ジャック・ハリス(以下JH) 「翔平のピッチクロックに関するコメントには、少し驚いた。『自分のケガと関係があるのでは』という内容で、見直しを求めていると受け取れた。翔平の発言は影響力があるから、公の場ではっきりと自分の意見を発信したことは意味があるし、それを望んでいた投手は多いと思う。平凡な投手がいくら主張したところで、話題になることはないからね。翔平が言えば拡散力が違うし、MLB機構としても無視するわけにはいかなくなる」

 

ビル・プランケット(以下、BP) 「そうだね。その問題が今後、話し合われるとき、翔平の意見は重要になる。もちろん、本人も口にしたように、明確な因果関係はわかっていない。それを証明するにはもう少し時間がかかるだろう。しかし、エース級の投手が次々に故障をして、多くが長期離脱をしている。複数の医師の証言もそれを示唆している。MLB機構が強硬に『関係ない』と主張しても、選手は納得しない。もちろん試合の時間が短縮されたことに関して、必ずしも選手の受け止めは悪くないんだけどね……」

 

 それと、そのメディア対応では『水原一平がいなくなって、これまで受けていたサポートが得られなくなったが、どう適応するのか?』という質問も飛んだ。翔平はその質問に対して正面から答えず、うまくかわしていたけど、まだ雑音がくすぶっているなかで結果を出していることは驚きだ」

 

 4月11日、米国の捜査当局は、水原容疑者が大谷の銀行口座を不正利用し、違法ブックメーカーへ1600万ドル(約24億5000万円)分の負債を返済していたとして、水原容疑者を「銀行詐欺罪」の疑いで訴追した。大谷の関与がなかったことも明らかになった。

 

――水原氏容疑者がいなくなったことでの、大谷への影響は?

 

JH 「私は2021年にエンゼルスを担当していたから、2人の関係をよく見てきた。たんなる通訳ではなく、トレーニングのパートナーであり、運転手でもあった。私生活でも翔平は一平に頼り切っていて、翔平が帰国するときも一緒だった。その一平がいなくなったのだから、少なからず影響はあると思う。一方で、翔平は騒動の直前に結婚していた。その時点で、遅かれ早かれ、『プライベイトでの一平への依存度が低くなるだろう』とは思っていたよ。ドジャースには日本人スタッフもいるので、一平なしでも徐々に適応できると思う」

 

BP 「もっとも信頼していた人に裏切られたのだから、もちろんショックだったと思う。でも、吹っ切れたというか、切り替えているように映ったね。事件後、翔平は一平の件を報道陣に聞かれて『グラウンドのなかで100%表現することが僕の仕事。グラウンドの外で何があっても変わらない』と話していたけど、その口調は自分に言い聞かせているようで、彼の強い決意を感じたよ」

 

――大谷のドジャース加入で、取材するメディアの数は増えた。チームメイトはどう思っているのだろう?

 

BP 「翔平はチームの勝利に貢献しているし、選手らは歓迎しているよ。メディアの数が増えたから、たしかにクラブハウスは騒がしくなった。だけど、メディアがいるときは、クラブハウスの外にいればいいだけだと選手は知っている。韓国の開幕シリーズでは100人近いメディアがクラブハウスに入ってきて、逃げる場所もないから、さすがに不満が漏れていたけどね(苦笑)」

 

JH 「あれはちょっと異常だった。クラブハウスのなかを移動するだけでも大変だったから(笑)。でも、シーズンが始まって、いまはだいぶ落ち着いてきた。さほど問題にはなっていないし、『翔平や山本のせいだ』と、不快感を漏らす選手はいない。

 

――大谷はチームに馴染んでいる?

 

JH 「試合前のストレッチのときには、ドミニカ出身のテオスカー・ヘルナンデスらとよくじゃれ合っている。翔平は彼からスペイン語を学んでいるようだ」

 

BP 「キャンプ序盤は、フリーマンの長男のチャーリーくんが来て、翔平になついていた。キャンプでの翔平は、リハビリで別メニューだったけど、トレーナーのトラビス・スミス氏とは、よく冗談を言い合っていたよ」

 

 水原氏がいなくなっても、大谷の成績が下がることはなさそうだ。

 

取材協力&構成・EIS

( 週刊FLASH 2024年5月7日・14日合併号 )

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