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“バトントワリングの星”エース指導者が性加害で逮捕 被害生徒を苦しめた“二重・三重の裏切り”

スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2024.04.30 18:20 最終更新日:2024.04.30 18:32

“バトントワリングの星”エース指導者が性加害で逮捕 被害生徒を苦しめた“二重・三重の裏切り”

小城桂馬容疑者

 

 国際的に活躍していたバトントワリングチーム『GENESIS』に所属する10代の男子生徒に、わいせつな行為をしたとして、4月29日、チームの元指導者、小城(こじょう)桂馬容疑者(40)が強制わいせつの疑いで京都府警察本部に逮捕された。

 

「立命館大学時代は『バトントワリング部の星』と呼ばれるほどの実力者だった小城容疑者は、2023年の2月から3月にかけて、男子選手を京都市内の自宅に呼び出し、無理やり体を触るなどしていたということです。小城容疑者は問題発覚後、オーストラリアに出国していましたが、3月に警察庁が外務省に、小城容疑者のパスポートの返納を命令するように依頼。5月1日の期限前、4月29日に本人が帰国し、逮捕に至りました。小城容疑者は警察の調べに対して『間違いありません』と容疑を認めているそうです」(社会部記者)

 

 

 本誌は2024年1月、この事件について報じている。

 

「男子生徒は、小城容疑者の行為で大きな精神的ショックを受け、頭痛やめまい、発疹に悩まされたこともあり、控えていた大会への出場も辞退しました。関係者からは『つらい思い出を消すためか、夜中に急にランニングに出かけたりするんです』といったご両親の声を聞いています。

 

 ご両親は男子生徒のチーム復帰を望み、事件の公表と小城容疑者の謝罪、チームからの退会を求めましたが、『GENESIS』の責任者で創設者の稲垣正司氏は、チームに『(被害生徒が)大会を辞退したのはメンタルの不調』と説明、事件を伏せていたのです」(取材を担当した記者)

 

 2023年4月初頭、小城容疑者は謝罪もなくチームを退会。その後、小城容疑者から両親のもとに『バトン協会からの退会』『GENESISでの無期限活動停止』を宣言した文書が送られてきた。両親はその内容に『子どもが競技に復帰するまで、いっさいかかわらないこと』を追記して、示談書として小城容疑者に提案したのだが……。

 

「この文書を、小城容疑者は撤回したのです。理由は『弁護士に相談したら、この示談書にサインしたら一生バトンができなくなるといわれた』からです。

 

 対応に不信感を持ったご両親は、協会の理事長にも電話をしましたが『小城はもうやめた人間なので、その件は協会も対応できません』と冷たくあしらわれてしまったそうです。そして、小城容疑者は海外へ飛び立ってしまいました」(同前)

 

 そして被害から約10カ月、両親は、またも心を砕かれることになる。初めに両親を裏切ったのは、チームの責任者・稲垣氏だった。

 

「9月ごろ、稲垣氏は周囲にこう言いふらし始めました。『小城の性加害は、じつは同意のもとだったんだ』『じつは2人は交際していたんだよ』と。当然、これらの内容に、ご両親は猛反発しました。ご両親は後日、稲垣氏に『なんでそんなウソを言いふらすんですか』と問い詰めたそうです。すると稲垣氏は、否定もせずに黙ってしまったといいます」(同前)

 

 次に“裏切り”を働いたのは、協会だった。2023年12月25日、バトン協会は『GENESIS』の生徒や保護者を集めて説明会を開いた。その場には、被害者の両親や、稲垣氏も同席した。

 

「しかし、集まったのは48人中9人だけ。大半の生徒は、“バトン界の帝王” ともいえる稲垣氏の糾弾説明会に顔を出せば、稲垣氏への反逆ととらえられると恐れ、参加しなかったのです。

 

 出席したのは、バトン界の実情をよく知らないキッズクラスの保護者だけでしたが、出席した理事長からの説明を聞いて、保護者らは涙を流し『こんなひどいことをいままで隠していたんですか』と厳しい意見が飛び交いました。稲垣氏はその場にいながら、黙っていただけでした。

 

 しかも、説明会が終わって保護者らが外に出ると、すぐそこで『GENESIS』のメンバーが練習をしていたというのです。そんなことで、本当に説明会と呼べるのか……」(同前)

 

 協会は稲垣氏の責任を問い、半年間の会員資格停止を命じたが、その内容はきわめて軽いもので、事実上、その後も稲垣氏は変わらず指導を続けていた。1月18日、本誌は『GENESIS』の練習会場で稲垣氏を直撃すると「被害を公表しなかったのは、相手方(被害者家族)のこともあるので」「当初、被害者の保護者から大ごとにしてほしくないと要望があった」と説明。「加害指導者と被害男性は交際していた」などと周囲に吹聴していたことをただすと「そんなこと言ってないですよ」と笑い飛ばしたのだった。

 

 裏切りで、二重、三重に傷ついた被害者。心のケアが急務だ。

( SmartFLASH )

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