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2軍降格の阪神・佐藤輝明 シーズン中“異例”の特守289球…過去にも降格で“覚醒”の実績

スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2024.05.17 18:57 最終更新日:2024.05.17 19:17

2軍降格の阪神・佐藤輝明 シーズン中“異例”の特守289球…過去にも降格で“覚醒”の実績

(写真・時事通信)

 

 2024年5月15日、阪神の佐藤輝明内野手が、出場選手登録を抹消された。今季ここまで35試合に出場し、打率.209、3本塁打、17打点と期待を大きく裏切っていた。

 

 14日の中日戦(豊橋)では敗戦につながるエラーを喫し、2軍行きはいわば“懲罰降格”のようなものだった。今季のエラーの数はセ・リーグワーストタイの6を数え、打撃不振ばかりか守備でも思うようにいかない。試合後岡田彰信監督は「あれで終わりよ」と呆れ顔だった。

 

 

 16日午前9時、兵庫・鳴尾浜の2軍練習に合流した佐藤。アップ後は定位置の三塁でノックを受け、その後は打撃練習を行なった。2軍の試合には出場せず、場所を隣接する鳴尾浜臨海野球場に移して佐藤を待ち構えていたのは、2月の沖縄・宜野座キャンプ以来の特守だった。

 

「素手で捕れる感覚に近い」ということから、普段使っているよりもかなり小さいグラブで特守に挑む。左右の厳しいコースにも身を投げ出すなど、懸命に白球を追いかけた50分間。ノックの数は289本にも及んだ。詰め掛けたファンから暖かい拍手をもらうと、佐藤も安堵の表情を浮かべた。

 

「今回の降格は、岡田監督から『もう一度自分をしっかり見つめ直せ』といったことだろうと思います。また、特守が終わった後に佐藤はすっきりしたような顔をしていましたが、この時期に、しかも1軍の中心選手がやるなんて話は聞いたことがありません。前代未聞のことです。それだけ首脳陣は佐藤に向けて強いメッセージを発信したということでしょう。

 

 残念ながら『佐藤ほど練習しない選手はいない』と言われるほど自分を追い込んでこなかった。言い換えれば、天性の素質だけでここまで来たと言っていいほどなんです。岡田監督以下、首脳陣は彼を持て余していますし、何とか考えを変えて野球に誠心誠意取り組んでほしいと願っています。そうなれば一皮向けた佐藤が見られるはずですから」(阪神担当記者)

 

 岡田新体制では不動の5番と期待されていた佐藤だったが、昨季も2軍降格を経験している。シーズン出だしはまずまずだったが、試合を重ねるごとに凡打が増えていく。6月25日の横浜DeNA戦後に2軍行きを言い渡されたが、そこまでの成績は、64試合に出場、打率.229、9本塁打、38打点と5番打者としては大いに物足りない。とくに6月は打率.179、1本塁打、8打点とどん底状態で、2軍降格は致し方ないことだった。

 

 ところが当時は、2軍降格が佐藤の目を覚ました。10日後の7月5日に1軍復帰すると、ようやく期待どおりに打ちまくった。終わってみれば打率.263、24本塁打、92打点とタイ記録の本塁打以外は、キャリアハイの成績を残した。

 

 現在、阪神は首位に立っているものの、2位巨人とはゲーム差なし。球団初の連覇のためにも、昨季同様、佐藤の“目覚め”を期待したいところだ。

( SmartFLASH )

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