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メッツ藤浪、好投で評価が爆上がりを喜べない「古巣」の心境“起爆剤”狙う岡田監督と続く“すれ違い”

スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2024.07.08 19:40 最終更新日:2024.07.08 19:40

メッツ藤浪、好投で評価が爆上がりを喜べない「古巣」の心境“起爆剤”狙う岡田監督と続く“すれ違い”

7月3日(日本時間)、対ハートフォード戦でのでのビンガムトン・藤浪晋太郎(写真・AP/アフロ)

 

 7月6日(日本時間、以下同)、メッツ藤浪晋太郎が好投を見せた。

 

 昨季の好成績によって、メッツ移籍を勝ち取りながら、極度の不振とケガによってメッツ傘下のマイナーリーグ・シラキュースで調整が続いていた藤浪。その後もケガが重なり、ついには60日間の負傷者リスト入りに陥り、苦しい時期が続いていた。

 

 そうしたなか、同じくメッツ傘下で、シラキュースのひとつ下のカテゴリ、ビンガムトンで2度めのリハビリ登板を果たしたのが6日のことだった。敵地でおこなわれたロッキーズ傘下のハードフォード戦、出番はいきなりやってきた。

 

 

 6回無死でマウンドに上がるも、塁はすべて埋まっていた。だが昨季のこととはいえ、躍進オリオールズの中継ぎ陣のエースに君臨していた藤浪。最初の打者こそ粘られたものの、145km/hの高速カッターで空振りの三振を奪う。次の打者にはさらにスピードの乗ったスプリット、最後も同様の球で空を切らせ、文句なしの三者三振に仕留めた。これでマイナーでの試合では、12人連続でアウトを取っていることになった。

 

 マイナーリーグとはいえ、その剛腕ぶりを見たメッツファンからは「一刻も早く彼をメジャーに昇格させてくれ」といった声が多く寄せられているという。メッツはナ・リーグ44勝44敗の勝率5割で3位ながら、首位フィリーズからは13ゲームも離されている。この数字は、これ以上、差をつけられると早々とシーズンが終わってしまうことを意味している。

 

「メッツの急務は、投手陣の再整備とされています。先発投手陣に、これといった“柱”は見当たらず、しかもブルペン陣の防御率もメジャー17位の4.06と低迷している。首脳陣はすぐにでも藤浪にメジャーに昇格してほしいと願っているのでしょう。

 

 というのも、藤浪は今季、中継ぎのポジションでは珍しく、年俸335万ドル(約5億3900万円)という高額な契約を結んでいるからです。この金額から、藤浪には中継ぎの中心――もちろん勝利が見込まれる展開での登板が期待されていたことがわかります」(スポーツ記者)

 

 しかし、藤浪の好投に喜ぶ人ばかりではないという。もしメッツが昇格に踏み切るとしたら、もうひとつの復活への道である、阪神復帰の可能性が閉ざされることを意味するからだ。阪神担当記者が解説する。

 

「中継ぎのエースとして獲得したメッツでしたが、藤浪はキャンプから制球難の顔が出始めました。マイナーリーグのトップカテゴリー・3A(トリプルエー)でも防御率が15点台に落ち込むなどの成績で、5月ごろにメッツは本気で放出しようと考えていたようです。その状況に、いち早く反応したのが古巣の阪神だったんです。

 

 じつは、阪神の岡田彰布監督と藤浪はここまで、すれ違いの関係でした。岡田監督が15年ぶりに阪神に復帰した2022年オフ、藤浪はポスティングシステムを利用して、阪神を出て行ってしまいました。そのため、一緒に戦うことはかなっていませんが、岡田監督が評論家時代は、藤浪の投げる試合はよく見ていて、その不信ぶりをすごく残念に思っていました。同時に『俺ならこういう指導をするのになあ』と言っていたこともありましたよ。

 

 阪神は現在、首位から4位までを行ったり来たりするなど、安定した戦いができていません。2023年は『投手力で勝った』といわれ、今季も投手の成績は悪くない。それでも勝てないため、岡田監督もチームも、起爆剤として藤浪復帰を期待する部分はあったと聞いています。ただ、メジャー復帰となれば、その話はなくなりますが……」

 

 日本でのトレード期間は7月31日に幕を閉じる。藤浪、そしてメッツはどのような結論を出すのだろうか。

( SmartFLASH )

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