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大谷翔平「40-40」目前!ボンズ、Aロッド…過去5人の達成者となにがどう違うのか【徹底検証】

スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2024.08.23 21:55 最終更新日:2024.08.23 21:55

大谷翔平「40-40」目前!ボンズ、Aロッド…過去5人の達成者となにがどう違うのか【徹底検証】

8月21日のマリナーズ戦で39個めの盗塁を決めた大谷翔平

 

 大谷翔平選手の「40-40」達成が間近となった。本塁打40本以上、盗塁40以上を同じ年に達成した選手は、長いMLBの歴史のなかでも、過去に5人しかいない。

 

 これまで投打の二刀流として数々の記録を打ち立ててきた大谷選手だが、現在、本塁打39本、盗塁39。さらなる勲章を手に入れることは確実だ。

 

 過去にたった5人しかいない希少な記録であり、達成者はいずれも偉大なレジェンドであるため、文句がつけられないことは大前提である。ただ、記録をよく見ると、それぞれの意味合いは若干異なる。難癖をつけるつもりはないが、たとえば同じ本塁打40本でも、本塁打王になる年もあれば、リーグ10位という年もあるからだ。

 

 

 最初に達成したのは、1988年のホゼ・カンセコ(オークランド・アスレティックス)。42本塁打、40盗塁だった。MLB全体で本塁打数はトップ、盗塁数はMLB全体で12位タイとはいえ、当時のMLBの常識を覆す異次元の活躍だったといえるだろう。

 

 チームは全盛期と言っていいほどの強さで、この年からリーグ3連覇を果たし、1989年にはワールドシリーズ(WS)も制する。アスレティックスは今季限りでオークランドを離れ、また今季も現時点でのWS進出の可能性は著しく低いため、オークランド・アスレティックスとしての最後のWS制覇と言える。

 

 ちなみに、このWSはサンフランシスコ湾の対岸に位置するサンフランシスコ・ジャイアンツとの対戦だったため、「ベイブリッジ・シリーズ」と呼ばれた。

 

 2人めの達成者は、1996年のバリー・ボンズ(サンフランシスコ・ジャイアンツ)。42本塁打(MLB 9位タイ)、40盗塁(MLB 8位)だった。ボンズといえば通算762本塁打で歴代1位のスラッガーだが、キャリアの前半は盗塁数も多く、1990年にはキャリアハイの52盗塁を記録するなど、通算514盗塁。

 

「500-500」を達成しているわけだが、MLBでは「400-400」ですらボンズのみ。なお、父親のボビー(ジャイアンツなど)も332本塁打、461盗塁で「300-300」達成者だ。

 

 3人めは、そのわずか2年後のアレックス・ロドリゲス(シアトル・マリナーズ)。1998年、42本塁打(MLB 12位)、46盗塁(MLB 6位)で達成した。まだ23歳だった。この盗塁数はキャリアハイで、30盗塁を超えたのもこの年だけだが、通算では696本塁打、329盗塁で「300-300」達成者でもある。

 

 4人めは、広島カープにも所属したアルフォンソ・ソリアーノ(ワシントン・ナショナルズ)。2006年に46本塁打(MLB 4位)、41盗塁(MLB 10位)を記録した。

 

 ソリアーノは40盗塁以上を3度、30盗塁以上を5度達成しているが、40本塁打を超えたのはこの年だけ。実は、この年のソリアーノの盗塁成功率は70.7%で、リーグ平均の71.4%をわずかだが下回った。「40-40」の達成年に盗塁成功率がリーグ平均を下回ったのは、ソリアーノだけである。

 

 最後に昨年、41本塁打(MLB 5位)、73盗塁(MLB 1位)で達成したのはロナルド・アクーニャ(アトランタ・ブレーブス)。ピッチクロック導入や牽制制限、ベースの大きさ変更などにより、2023年からMLBでは盗塁数、盗塁成功率とも大きく向上したが、それでも盗塁王を獲得したうえでの41本塁打は偉大な記録と言えよう。「40-40」のいずれかでのタイトル獲得はカンセコ以来である。

 

 昨年、チームは惜しくもディビジョンシリーズで敗れたものの、勝率.642で地区優勝を果たし、年間104勝はMLBトップだった。ボンズ、ロドリゲス、ソリアーノは達成年のチーム勝率が5割を下回っており、地区優勝チームでの「40-40」もカンセコ以来となった。なお、1988年のアスレティックスも104勝でMLBトップだった。

 

 今年、大谷選手が「40-40」を達成した場合、現在の成績で言えば、本塁打数はMLB 2位(リーグ1位)、盗塁数もMLB 2位である。本塁打、盗塁の両方でMLB 4位以内に入って「40-40」を達成した選手は過去にはいない。

 

 盗塁数は同じリーグのエリー・デラクルーズ(シンシナティ・レッズ)が現時点で60盗塁を記録しており、大谷選手の盗塁王を期待することは難しそうだが、リーグの本塁打王は可能性十分である。

 

 付言すると、今年の大谷選手の盗塁成功率は実に90.7%。参考までにリーグ平均は78.4%、デラクルーズは83.3%、昨年のアクーニャは83.9%である。

 

 チームとしてはけが人が続出して苦労した時期もあったが、それでも開幕から地区首位を走っている。勝利数も、現時点では、僅差ではあるがMLBトップである。

 

 こうして成績を見てみると、大谷選手が今年「40-40」に到達すれば、過去のレジェンドと比べても高いレベルでの快挙ということになりそうだ。

 

文・小島一貴

( SmartFLASH )

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