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「松坂世代」消滅…ソフトバンク・和田毅引退で注目される精鋭らの“真価”唯一の名球会入り藤川球児は監督第一号に
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2024.11.07 16:05 最終更新日:2024.11.07 16:05
11月5日、ソフトバンクの和田毅投手が会見で放った言葉に驚いたファンは大勢いたのではないか。なぜなら前日の4日朝にはスポーツ紙のスクープとして「44歳となる来季も現役続行」と報じられたばかりだったからだ。決断のタイミングについて、和田はこう続けた。
「(引退に関しては)最近決めたわけでもなく、ずっと前から。ある程度、固まってきたのは今年の7月過ぎくらいですかね。妻にも7月には伝えていたので。ここまで皆さんに知られずにこの日を迎えられて、自分としては本当によかったなという思いはあります」
ともあれ、1980年4月2日から1981年4月1日までに生まれたいわゆる「松坂世代」と呼ばれた選手たちは皆、現役を引退したことになる。
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呼称に名を冠する松坂大輔を筆頭に、確かにこの世代には素晴らしい選手たちが数多く存在した。
投手では松坂、和田以外にも藤川球児(阪神)、杉内俊哉(ダイエー・現ソフトバンク)、久保田智之(阪神)。野手では森本稀哲(日ハム)、村田修一(横浜)、小谷野栄一(日ハム)、渡辺直人(楽天)らが長く球界で活躍した(カッコ内のチーム名は最初に入団したもの)。
彼らの引退後の活躍も見逃せない。数人がコーチを務め、来季からは、藤川が世代第一号の監督デビューを果たすことになっている。
「彼らが活躍できたのは、反骨心が関係していると言います。『松坂世代』と呼ばれた選手たちは当初、その名称に納得していた。というのも、それだけ松坂がすごかったからです。夏の甲子園であれだけの球数を投げ、しかも決勝ではノーヒット・ノーランの離れ業。西武1年めからローテーションの中心として新人王と最多勝を獲得したのですから。納得するしかなかったのでしょう。
ただ、その呼び方が続いていくうちに、彼らの多くは『松坂とその他大勢』という扱いに拒否反応を示すようになったのです。なかにはハッキリと『そう呼ばれるのは好きじゃない。必ず自分の名がついた“〇〇世代”と呼ばせて見せる』といった選手もいました。その反骨心を持っていたから、多くの選手が活躍できたと思います」(スポーツ紙デスク)
確かに「松坂世代」の選手たちは、「記憶」に残る選手が多い。しかし、「記録」というと、意外にインパクトは薄いのである。「記録」で一つの目安となるのが名球会だ。200勝、250セーブ、2000本安打が名球会入りの条件となっている。
そして、「松坂世代」の名球会入り選手となると……。藤川が245セーブ、164ホールドの実績があるため、新設された特別枠で入会している。しかし松坂が170勝、村田が1865安打と、名球会ができた当初の基準をクリアした選手は皆無なのである。
「かつては“○年組”という呼び方が一般的だったんですが、松坂が出てきて“○○世代”と呼ばれることが多くなりました。その最初だったので、この世代はずいぶん讃えられたんですが、記録的にはそれほどでもなく、確かに『過大評価だ』と言い切る評論家の方もいます」(同前)
会見では、「これまでの野球人生で無駄なことはなかったと誇りを持って言える」と語った和田。今後について、指導者の道はあるのかと聞かれると「今の自分では勉強不足」と謙遜しつつ、「いつか勉強して、そういう日が来れば」と否定はしなかった。「松坂世代」の本当の実力は、これから発揮されるのかもしれない。
( SmartFLASH )