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「怪我したくらいで騒ぐな」プロレス“危険な技”めぐり元レスラー&WWE日本人レスラー巻き込んだ論戦勃発

スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2024.12.07 13:14 最終更新日:2024.12.07 13:14

「怪我したくらいで騒ぐな」プロレス“危険な技”めぐり元レスラー&WWE日本人レスラー巻き込んだ論戦勃発

“裏投げ”で物議醸すSareee選手(本人のXより)

 

 11月におこなわれた女子プロレスの試合で、ある女子レスラーが繰り出した危険な投げ技をめぐり、SNS上で議論がわき起こっている。投げ技の動画がSNSにアップされると、ファンを中心に否定派と擁護派の意見が対立。さらには、この件の解釈をめぐって、アメリカ最大のプロレス団体「WWE」の日本人レスラーと、元レスラーの間でもバトルが勃発したのだ。

 

「問題となっているのは、11月2日に女子プロレス団体『MARIGORD(マリーゴールド)』の札幌大会でおこなわれたタッグマッチの一場面です。この試合で、“闘いのあるプロレス”を信条とするSareee(サリー)選手が、高橋奈七永(ななえ)選手に得意技の『裏投げ』を放ったところ、高橋選手は受け身が取れない形で頭から落下。首への強い痛みと衝撃に『ヤバさを感じた』というベテランの高橋選手は、そのまま動かないという判断を取り、試合後に緊急搬送されました。幸い、大事には至らなかったものの、検査の結果、全治1カ月弱の脊柱起立筋損傷と診断されています。

 

 この件でSareee選手は《結果的にケガをさせてしまったことは申し訳ないですが、私はケガをさせようと思ってやったわけじゃない。もちろん、私にとって大切な技なので、裏投げは今後も使っていきます》《ファンの方にも選手にも心配をかけてしまって…本当にすみません》とコメントを出しましたが、誹謗中傷のDMが多く届いていることを本人が明かしています」(スポーツ紙記者)

 

 

「危険すぎる」「技ではなく、事故」など、SNSでファンを中心に繰り広げられていた裏投げについての論争に対し、問題のシーンの動画とともに、12月4日、自身のXで《裏投げの出来損ない これを正当化出来る奴は俺に直接言ってきて 説明してやるから》と、根本的な原因は「裏投げの失敗」と一刀両断したのが、かつて大仁田厚選手が率いた団体『FMW』などで活躍したミスター雁之助氏だ。

 

 しかし、この雁之助氏のポストに対して、《受けがしょっぱいからこんな落ち方になるんだよ 怪我したくらいで騒ぐなバーカ》と、過激な物言いで噛みついたのが、海の向こう「WWE」で活躍中の日本人レスラー、AKIRA TOZAWAこと戸澤明だった。面識もない、自分より17歳も年下のレスラーから“ケンカをふっかけられた”形となった雁之助氏も、これに応戦した。

 

「雁之助氏は、自身のXに戸澤選手の発言を貼りつけ《そもそも投げが崩れてるの見てわからんのか? 投げてる時の足元を見てみろ 相手の首から手も離れてる 受け身どうこうの問題ではない》と戸澤選手の発言を否定。続けて《怪我したくらいで? くらいで?? 首を怪我した三沢さんやハヤブサがその後どうなったか考えろ》と、戸澤選手を激しく糾弾しました。

 

 雁之助氏は、自身の同期で、華麗な空中殺法で人気のあったハヤブサ選手(故人)が、2001年に試合中のアクシデントで頚椎を損傷し、半身不随となった悲劇を誰よりもよく知っています。それだけに、戸澤選手の発言を問題視するユーザーとのやり取りでも《俺は実際に首の怪我でそうなったハヤブサを見ているわけです 戸澤というふざけたバカの発言は到底許されるものではないです》と怒りをあらわにしていました」(前出・スポーツ紙記者)

 

 一方の戸澤氏は、12月6日、Xに《これで最後ね》との書き出しで、

 

《レスラーは怪我する覚悟でリングに上がってます完全に自己責任です。そして相手との信頼関係で成り立っているので、誰が悪いとかあの技が悪いとか犯人捜ししても仕方ない。怪我した場合は受け身が悪かった自分の身体が弱かったって思うようにしてます。だからレスラーは鍛えるんです》

 

 とポスト。論争を一方的に締めくくろうとした。しかし雁之助氏は、

 

《これで最後ね? 最後ね?? 俺よりキャリアの無いガキが俺に対してレスラーは?てお前マジで大丈夫か?》

 

《まず先輩に向かってバーカと言ったてめえの非礼を詫びろ 受け身が下手と言った高橋ななえにも謝れ 話はそれからだろ 許さんぞ貴様》

 

 と吐き捨てるなど、火に油を注ぐ展開となっている。

 

「WWEで、自分より大きな相手とばかり対戦している軽量の戸澤選手は、自身の受け身には絶対的な自信があるのかもしれません。ただ、ハヤブサ選手や、2009年、試合中に頸髄離断で亡くなった三沢光晴選手、さらには、2017年に試合中のアクシデントで頚椎完全損傷の大怪我を負った高山善廣選手、2022年に試合中に頚椎損傷の大怪我を負った大谷晋二郎選手など、危険な“実例”は枚挙に暇がありません。こうした選手たちのことを思えば、同じプロレスラーとして、戸澤選手の発言は配慮に欠けているといわれても仕方ないでしょう。

 

 戸澤選手と雁之助氏とのやり取りを見たユーザーのなかには、戸澤選手の発言の英訳とスクショとともに、WWEに英語で抗議文を送った人もいるようです。WWEは所属選手のメディカルチェックも厳格で、日本のプロレスよりも危険な技への規制が厳しいことで知られます。そうした団体の一員でもある戸澤選手の発言が上層部に伝われば、なんらかのペナルティが課される可能性も否定はできません」(格闘技ライター)

 

 海を超えて勃発した論戦の行方は、はたしてどうなるか。

( SmartFLASH )

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